はじめに

業種別に見ていくと、陸運業・海運業・空運業といったモノや人の移動に関わる業種や石油石炭製品や鉄鋼といった原材料価格上昇の恩恵を受ける業種の好調が目立ちます。これらはアフターコロナに向け経済正常化が続く中で恩恵を受けている業種といえそうです。一方で輸送用機器、パルプ・紙、電気・ガス業などは、原材料高が業績を直撃しいずれも減益となっています。

それでは最後に、特に目立つ好決算を発表した会社を2つご紹介します。まずはオリエンタルランド(4661)です。ディズニーランドやディスニーシーなどを運営する同社が発表した決算では、売上高が前年同期比約2倍の981億円、営業利益が前年同期の88億円の赤字から170億円の黒字に転換しました。コロナ禍による入場制限などの影響が薄れ、入園者数が大きく増加したことが業績改善の最大の要因です。コロナ禍でディズニーランドやディスニーシーへの期待や好感度が下がってしまったわけではなく、「行きたいのに行けない」ファンが大勢いることを改めて示した結果といえるでしょう。

続いてボウリングやカラオケ、卓球などの複合アミューズメント施設を運営するラウンドワン(4680)も素晴らしい決算を発表しました。第1四半期の売上高は前年同期比69%増の309億円、営業利益は前年同期の35億円の赤字から23億円の黒字に転換しました。同社の決算で印象的なのが、コロナの影響が出る前の2019年4-6月期と比較してもすでに業績は同程度から上回るまで成長していることです。2019年4-6月期の売上高は255億円、営業利益は23億円であり直近決算の売上高は約2割増えています。ボウリングやカラオケなどを値上げした上でも顧客離れが起きていないことが業績好調の理由のようです。同社は第1四半期時点で年間の業績予想や配当予想を上方修正し、業績の勢いを感じさせる内容となりました。

これまで見てきたように、米国の金融引き締めや原材料高の影響を受けながらも日本企業全体としては堅調な業績を達成しています。さらに今後は外国人観光客の入国受け入れ増などから一段の業績加速を期待できる可能性もありそうです。ぜひ早期に日経平均の3万円回復を期待したいところです。

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