はじめに
どのくらいの金額を借入できる?
まずは、どの程度の金額までの住宅購入が許容範囲かについてみていきましょう。
住宅ローンを組む際には、金融機関で事前審査というものを行います。これは、本人の収入や資産に対して、その物件を購入することに無理がないかどうか、安定して継続的に返済が可能かどうかなど、申込者本人の信用や返済能力に関する審査となります。
この事前審査をすると、自分自身が大体いくらくらい銀行から借り入れできるかが判断できます。金融機関にもよりますが、一般的には年収に対して返済比率35%程度、審査金利3.5%~4%で審査することが多いようです。ご相談者の年収を手取りから逆算して500万円/年と仮定します。
借入期間については、一般的には35年間、金融機関によっては40年や50年というところもあります。月々の返済を軽減するために35年で組む方も多いですが、ご相談者の場合は、退職金がほぼ無いことや、お子さまのご年齢から大学を卒業するのが60歳近くなることから、60歳以降に住宅ローンが残ると返済が厳しくなることが予想されるため、60歳での完済を目指すのが現実的です。よって、試算については借入期間20年間で考えましょう。
【計算式】
年収500万円×返済比率35%÷毎月返済額12カ月
= 14万5,833円/月 ……(1)
借入可能額2,500万円 審査金利3.5% 返済期間20年
= 毎月返済額14万4,989円……(2)
(1)>(2)…… 借入れ可能
実際は、就業年数などその他審査要件もありますが、年収だけで判断すると、大体2,500万円程度の借入れは可能なようです。ただし、銀行からは2,500万円の借り入れが可能だとしても、将来にわたって返済できないと意味がありません。
安心して返済できる金額は?
では、安心して返済できる金額はどのようになるでしょうか。家族構成や世帯年収によって様々ではありますが、年収に対して返済比率20%~25%以内が、安心して返済できる金額の目安とお伝えしています。
【計算式】
年収500万円×返済比率20~25%÷12カ月
= 毎月返済額8万3,333円~10万4,166円
仮に変動金利で金利0.45%とすると、
借入可能額2,500万円 金利0.45% 返済期間20年
= 毎月返済額10万8,943円
よって、借入額2,500万円はギリギリのラインとなります。