はじめに

株価が下がりにくい優待銘柄を発掘する方法

優待欲しさに投資したら株価が下落して含み損、というのはよくありがちな失敗です。優待投資を成功させるには、逆説的ではありますが、優待以外の面でも魅力的な株を探す意識を持つことが重要です。私は優待に加えて、「資産面」と「収益面」を重視して投資する銘柄を決めています。

資産面は、企業が保有する純資産の額に比べて、株価が割安な企業に投資するという考え方です。株価指標でいえばPBR(株価純資産倍率)などで表されますが、こうした指標だけに頼るのではなく、財務諸表を読んで自分なりの解釈ができるとより成功しやすくなると思います。
 
収益面は、企業の成長力を重視する考え方です。売り上げが伸び、利益も伸ばせる企業であれば、株価もそれに合わせて上昇するからです。

優待に加えて資産、収益の面で魅力がある株は、たとえ割安に放置されていても、何かのきっかけで評価されるものだと考えています。とはいえ、すべての面に魅力がある銘柄というのはまず存在しません。3つの視点をチェックし、総合的に判断して投資する銘柄を決めています。

そのうち2つが良ければ投資することもありますし、ひとつしか当てはまらなくてもその魅力が非常に高ければ投資することもあります。中には、優待内容があまりに魅力的なので、他の面にまったく魅力がなくても投資した例もあります。

その典型例が「北海道」など数多くの外食チェーンブランドを展開するコロワイド(7616)です。

私が購入したときは優待利回りが15%以上あり、その点では非常に魅力的でしたが、その他の面では投資する価値がある銘柄ではなく、株価も超割高でした。それでも、優待に突出した魅力があり、それが知られるようになればそれだけでも買われると思って投資を決めました。

その後、優待株投資の有名人である桐谷広人さんがメディアで紹介するなどして知名度が急上昇し、株価は4倍まで上昇しました。株価はざっくりいうと、業績が上がるか人気が上がるかすれば上昇するので、この銘柄は「優待人気」で株価を上げた典型例です。

廃止、改悪は優待投資ならではのリスク

ただし、優待には「廃止」や「改悪」というリスクがあります。

突出した優待の魅力だけで投資をすると、突然優待が廃止されたり、額面が減ったり使い勝手が悪くなる変更が発表され、株価が急落して損失を出したり、投資目的だった優待の魅力がなくなってしまうことがあるのです。

ユニークな本や雑貨の小売店を展開するヴィレッジヴァンガード(2769)は、業績が悪化してきたころに優待を新設しました。それでも10万円程度の投資で、店舗で使える優待券が1万円分と太っ腹だったので、コロワイドのように知名度が上がれば優待のお得度だけで株価が倍以上になることを期待し、業績面のリスクを承知で投資しました。

その後、業績はさらに悪化しましたが、株価は狙い通りに上昇し、一時は2倍にもなりました。ところがある日突然、恐れていた優待改悪が発表されてしまいました。それまでは現金と同様に使えたのが、2,000円の買い物ごとに1,000円分利用可という制限がつけられ、実質的に金券から半額券になってしまったのです。

私はこの発表で投資する魅力が失われたと判断し、その日の夜間取引で売却しました。

幸いこのときは、損失は出さずに済みました。これは、買いの判断と売りの判断が早かったことが功を奏したのだと思います。人気が出てしまってから買い、改悪で大きく下落した後で泣く泣く手放すようでは、大きな損失を出してしまう可能性が高くなります。