はじめに
それに対して日本株は、比較優位にあります。
たとえば予想EPSは米国株と真逆に上振れしています。今後、世界景気の減速懸念で日本企業の業績も下方修正懸念がありますが、いまのところは円安効果が勝っている状況です。
だから日本株は全然、下がっていません。年初来パフォーマンスを比べると欧米株が2割、3割下げているところ、日本株は1割未満。グローバル景気敏感なコア30を除いたTOPIX大型株70で見ればわずか2%台(先週末時点)で年初からまったく下げていないといえるような水準です。
その理由の最たるものは日本のインフレが海外に比べて全然たいしたことがないからでしょう。その良し悪しの話になると長いので別な機会に譲りますが、とにかく本格的なインフレには程遠いという状況にあります。だから日銀が金融緩和を続けられるのです。世界の株は中央銀行の利上げ→金利上昇で売られているわけですが、日本はその要因がないので株が下がる理由がありません。しかも円安で予想業績は上振れしています。
景気についても海外は利上げで景気が冷え込んでいきますが、日本は利上げもないし経済再開期待で景況感は改善しています。そこに加えてNISA恒久化などの金融所得倍増プランなど政策の後押しもあります。欧米株が買えないから消去法的に日本株がグローバル投資家の受け皿になっているという面はありますが、もっと積極的に日本株が評価される材料は多いと考えます。