はじめに

「個人投資家」と聞くと、お金持ちでマネーや経済に詳しい人を連想するもの。裏を返せばお金に余裕がなく、投資リテラシーがない人とは真逆の存在ということ。

しかし、個人投資家のタイプはグラデーションだ。投資額や投資目標などを踏まえると、100人いれば100通りのスタイルがあると言っていいだろう。

そこで、ここではプロではなく試行錯誤しながら資産形成を行う一般投資家、いわゆる投資ブロガーにインタビュー。投資のきっかけから、現在の投資方法に行き着くまでの経緯などを聞いた。


0.00…まで下がり続けた定期預金の金利に大ショック! お金について真剣に考えはじめた

ブログ「インデックス投資女子 Around40 Happy Life」を運営する、おぱるさん(40歳・女性)は、いわゆる“投資の猛者”とは一線を画すタイプの個人投資家だ。

インデックス投資歴3年目の会社員で、現在夫婦共働き。家計簿は夫が管理しているそう。「食費などでやや浪費しがちなのが悩み」と話す、ごく一般的なマネー感覚の持ち主といった印象だ。

株の知識はほぼゼロからスタート。いまでも「経済とか金融には疎いです…」と語る。そんな自分でも頑張れる投資があることを知ってもらいたいと、ブログを執筆しているというが、なぜ投資の世界に足を踏み入れることにしたのだろう。

「約3年前、37歳のときにほったらかしていた預金通帳の定期預金口座を見たら、金利が0.00いくつまで下がっていました。このままの金利水準だと100万円の預金で利息がいくらになるのかなと思って計算したら、わずか数百円にしかならないことが分かってビックリしたんです。なんでどんどん桁が下がるの!?って。これじゃスタバでコーヒーも飲めないよと(笑)。このままでいいのかな…と不安を感じて、投資とか始めるべきかなって思うようになったんです」

過去にも投資に興味を持った時期があったというが、個別株や不動産投資をしている同僚の様子を見て、「やっぱり怖そう」と諦めたそう。

「たとえば実家がお金持ちの同僚は、親から大学入学のお祝いに100万円の現金をもらって『株を買いなさい』と言われたそうです。でも、そんなのうちの家庭ではありえないので、投資をする人は私とは住んでいる世界が違うんだなと。あと、個別株に投資している人は仕事中にも値動きを見ていて、世界経済や金融にも明るくて、やはり縁遠さを痛感しました」

マニアックなことは知らなくてOK! 分からないことはSNSで詳しい人に聞いてみる

もともとは投資に及び腰だったが、定期預金のあまりの低金利を知ったことで、やる気に火がついたおぱるさん。まず、『超簡単お金の運用術』(山崎元/朝日新聞出版)、『はじめての積立て投資1年生』(竹内弘樹/明日香出版社)の2冊を購入したそう。そこで「インデックス投資」の存在を知ることに。

「インデックス投資についてもっと詳しく知るために、ファイナンシャルプランナーに相談したんです。でも、教えてもらったことを鵜呑みにしていいのかな…と不安に感じて、相談の帰りにたまたま新宿駅近くにあった証券会社の相談窓口に飛び込みで話を聞いてもらいました。そしたら、直接ネット証券で購入すれば、信託報酬(証券会社に支払う手数料)も選べますよって教えてもらって、早速口座を開設しようと。お金はプロの言うことを聞くに限ると思っていたのですが、投資はきちんと自分の頭で納得しないとダメなんだなと実感しましたね」

きちんと理解し腹オチするまで、情報を積極的に取りにいく姿勢はいまでも変わらない。

「最初、投資は少額から始めました。とにかくスタートしてみてから考えようと気楽に構えていたんです。でも、まったく一人きりだと不安なので、備忘録と情報発信を兼ねたブログとTwitterを開設。いまでも分からないことがあったら、Twitterでインデックス投資の先輩方に聞いています。そうすると、そもそもポートフォリオがどうとか、アセットアロケーションを考えた方がいいとか、生活防衛資金を貯めないとダメとか、親切に教えていただけるので感謝しています」

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