はじめに

損害保険は日常生活のさまざまなリスクに備える商品ですので、万が一の事故などに備えて、自分に合った保険をしっかり選んでおかないと、いざという時に必要な補償やサービスが得られず、困ってしまうケースがあります。しかし、自分の現状に合った保険を一人で選ぶことは難しいといえます。

そこで頼りになるのが、加入から事故後の対応までサポートしてくれる、損害保険のプロと呼ばれる「損害保険トータルプランナー」です。

この記事では、損害保険選びで失敗しがちなポイント、損害保険トータルプランナーの役割と選び方について解説します。


損害保険選びで消費者が失敗しがちなポイント

損害保険は、事故や災害が起きた時に備えとなる保険です。保険の内容が複雑でしっかり理解するのは難しく、形がなく目に見えないものなので試しに使ってみることができません。加入はしたものの、いざアクシデントが起きてから「補償が足りなかった」「他の保険と重複して加入していた」「誰に相談していいのか分からない」などと慌てるケースも少なくないようです。

最近は、ネットの比較サイトなどで保険を調べる方も多いですが、商品の価格や口コミを確認することはできても、個人のニーズに適した商品の説明や相談を受けることは難しく、「安いから」という理由だけで保険を選んでしまうと、必要な時に満足した補償や対応が得られずに、無駄な保険料を払い続けてしまう可能性もあります。

また、保険は加入後の見直しも重要です。結婚や子どもの誕生、転職や引っ越し、クルマの購入・買い替えなど、ライフスタイルに変化が生まれた時は、最初に加入した保険では補償内容が合わなくなる場合も。保険の補償内容は日々進化しているため、新しい保険に切り替えたほうが、条件がよくなることもあるのです。

もしも事故・トラブルが発生した場合、相談できる相手は?

自動車事故などのアクシデントが起こった際は、警察への連絡や怪我の治療、示談交渉などを即座に行わなくてはいけません。

人は思いもよらない事故に見舞われると気が動転してしまい、冷静な判断ができなくなるものです。直後の対応を間違えてしまうと、不利な立場になってしまったり、被害者から必要以上に責められて交渉が上手くいかなかったり、という可能性もあります。

法律の専門家は弁護士ですが、裁判でもなければ気軽に相談できませんし、相談費用もかかります。交通事故であれば警察を呼びますが、個人的に不安に思うことを聞いてもらうわけにもいきません。

また、保険に加入していれば保険金の支払いは受けられますが、保険会社の事故担当者があなたの求めるような対応やアドバイスをしてくれるとは限りません。ネットの情報を頼っても、さまざまな情報が飛び交っているため、どれが正しくてどれが間違っているのか、知識がなければ判断するのは困難です。

そんな時に、自分の状況をよく理解してくれて、保険に関連する周辺知識を持っている専門家が身近にいれば、日頃から困りごとも相談しやすく、大変心強いと言えるでしょう。

「損害保険トータルプランナー」とは?

そこで頼りになるのが損害保険トータルプランナーです。日本損害保険協会が認定する資格で、損害保険に関する法律・税務などの知識をもとに、総合的にサポートする役割を担います。

一般的に、損害保険に加入する際は、保険代理店に所属している「損害保険募集人」を通じて手続きをすることになります。損害保険募集人の資格保有者は全国に約200万人存在します。数が多く何を基準に選ぶべきか悩むのではないでしょうか。一方、損害保険トータルプランナーは損害保険募集人のうちの0.75%で、約1.5万人しかいません。

損害保険トータルプランナーになるには、『損害保険大学課程コンサルティングコース』を修了後、試験に合格したうえで、日本損害保険協会の認定を受ける必要があります。つまり、損害保険トータルプランナーは、損害保険募集人の最高峰と言える存在なのです。

画像:日本損害保険代理業協会「損害保険トータルプランナーをご存知ですか?」より引用

加入時の相談にしっかり乗ってくれて、自分に合った保険を提案してくれるのはもちろん、万が一の事故もすぐにアドバイスが得られ、法的な手続きも、保険請求などのお金にまつわる問題もトータルでサポートしてくれます。