はじめに

扶養に入れる手続き

では実際に親を扶養に入れたい場合、どんな手続きをしたらいいのでしょうか? おおまかな流れは以下のとおりです。

(1)親が扶養対象に該当するか確認する
(2)会社に「扶養控除等申告書」を提出する

サラリーマンであれば基本的に手続きはこれだけでOKです。年末調整の時期に「扶養控除等申告書」に親の氏名や生年月日を記入して総務などに提出しましょう。あとは年末調整によって所得税が計算されます。住民税は翌年の6月から反映されます。また自営業など確定申告を提出している人は、確定申告書で扶養控除欄に記入、計算しましょう。

手続き自体は簡単ですが、「親が扶養対象になるかどうか」の判断には扶養条件の他にも注意事項が多くあります。注意事項は後述しますが、もし扶養対象ではない親を扶養に入れてしまった場合、会社側で対応できればいいのですが、自分で確定申告すると加算税や延滞税を払うことにもなりかねませんので、判断は慎重に行いましょう。

親を扶養に入れると年間いくら節税になるのか

親を扶養に入れた場合、年間で数万円の節税になることが多いです。しかも、それが毎年続く可能性があります。少々面倒な手続きをしてでも、親を扶養に入れることは大きなメリットがあると言えるでしょう。

扶養により安くなる税額は、自分の年収や親の年齢、同居か別居かで大きく変わります。

例として年収500万円で独身の会社員が70代の親を扶養した場合、節税額は年間約8〜10万円。年収300万円で妻と子を扶養し、60代の親を扶養に入れた場合でも年間約5万円もの節税になります。

税制は途中で大きく変わることもありますが、これが毎年続いたら……とても大きな金額になりますね。所得により控除額が変わるので年収が低い場合や、他の扶養親族がたくさんいるなどの事情がなければ、年間で約5万円以上は節税になると考えられます。

税金を払いすぎていませんか? 自分に最適な節税をお金のプロに無料相談[by MoneyForward HOME]