はじめに
政府の支援策では穴埋めできない
年明けから、値上げに対する政府の支援策が始まる予定ですが、このままでは穴埋めできない状況となりそうです。この策では、今よりも電気料金が2割ほど増えると想定して、その分を政府が肩代わりするというイメージで考えられています。東京電力が想定する標準的な電気使用量の家庭において、月に1,820円程度値下がりします。一旦は負担が減るのですが、先述のとおり来年、2023年4月以降に規制料金が値上げされて、政府の想定を上回るペースで値上げが加速する可能性もあります。
家庭の電気料金プランは大きく分けると2つあり、国の認可をもとに価格を設定する「規制料金プラン」と、2016年に始まった電力自由化により電力会社が自由に設定できる「自由料金プラン」です。
この12月に値上げになるのが「自由料金プラン」の方です。一方で「規制料金プラン」については、据え置きのままです。本来であれば、価格競争が行われている自由料金プランの方が割安となるはずですが、今は逆に割高な状態が続いています。しかし規制料金プランは、すでに大手電力10社すべてで値上げできる上限に達しており、値上げ申請もされているので、自由料金プランから規制料金プランに戻したとしても、値上げから逃れるのは難しいです。
国の節電プログラムで、最大で5,000円相当のポイントがもらえる「節電チャレンジ2022」という取り組みがあります。「冬の節電プログラム」にエントリーすると、2,000円相当のポイントがもらえます。さらに電気使用量を前年の同じ月と比べて3%以上減らすと、月に1,000円相当のポイントがもらえます。対象となるのは来年、2023年1月から3月分の電気料金で、もらったポイントは電子マネーなどに交換できます。
ただし、一部の電力会社では適用されない場合もあるようです。お使いの電力会社のウェブサイトなどでお調べください。
いずれにせよ、料金の引き上げが続けば家計へのひっ迫は避けられないため、この状況が続けば今後、原発再稼働などの議論が持ち上がるかもしれません。