はじめに
「家計のために少しでも電気代を節約したい」「エネルギーの無駄遣いは環境のためによくない」など、さまざまな理由で節電を意識している方は少なくないと思います。
しかし、実際に自分がしている節電が本当に効果があるのかを理解し、その結果に満足している方はそう多くないでしょう。間違った対策をしている人もいるかもしれません。
今回は“本当に効果ある”節電対策について考えてみたいと思います。
節電の王道は「待機電力」カット?
節電の話というと、よく挙げられるのが「待機電力」のカット。
待機電力とは、家電などを使っていなくても、電源をコンセントに差し込んでいるだけで消費されてしまう微量な電力のこと。行政などが行う節電PRでも、「待機電力カットをしましょう」と真っ先に紹介されることがあるため、まずは「節電=待機電力カット」と思ってしまう方も多いと思います。
たしかに利用していない物に対して、電力が消費されているというのは無駄なことです。
テレビやDVDを観ていないときには電源コードをコンセントから抜く、炊飯器も使う時だけコードをつなぐなど、電化製品は使い終わったらコンセントから抜いて通電しないようにする節電術をしている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この待機電力カットで、どれくらいの節電効果が出ているのでしょうか?
財団法人省エネルギーセンターの「家庭の省エネ大辞典」によると、一般家庭の待機電力は全消費電力のうちの6%。ただし、これは家の中すべての機器の待機電力を合計した値です。例えば、FAXつき電話のように常に通電しておかなければいけないものも、この6%に入っているのです。
そう考えると、あなたが毎日電源コードを抜き差ししているテレビ、DVDレコーダー、炊飯器の待機電力は、本当にわずか。
毎回、毎回、コンセントからコードを抜き、もし家族で差しっぱなしにしていた人がいたら叱責する……。このように神経質になりすぎてしまった「節電」は“手間だけがかかって効果がないもの”になりかねません。
微量の待機電力カットに意を注ぐよりも、もっと効果的なこと、本質的なことに目を向けたほうがよいでしょう。
「消し忘れ」を防ぐためにできることは?
また、使っていないのに電気代がかかっている無駄なものといえば「消し忘れ」もそうですね。
トイレや玄関、廊下の電気を消し忘れてしまうことはよく起こりがちです。「忘れないように毎回ちゃんと消しましょう」といって、それが徹底できればいいのですが、人は忘れてしまうことが必ずあるもの。
「絶対消してね!」「なんで言ったことができないの?」と家族とケンカになってしまうよりも、便利な製品を使って解決することをおすすめします。
最近は「人感センサー付きLEDの電球」が売られています。センサー範囲から人がいなくなると自動で電気が消える仕組みとなっているため、消し忘れが絶対に起こりません。
また、逆に人を感知したら自動で点灯するため、夜、帰宅して玄関を開けると廊下の電気が自動的に点くので便利です。荷物をたくさん持っているときや、深夜に帰宅する際には安心ですね。LEDは発熱電球より省エネですので、その点でもトイレや玄関や廊下での利用をおすすめします。
注:人感センサー付きLED電球は基本的に電球を取り替えるだけで利用できますが、まれに適合しない場合もあります。しかし、その場合もメーカーを変えたら利用できるようになるなど、まだ成長途中の領域かもしれません。筆者の家でも、一か所だけメーカーを変えたら利用できた場所がありました。