はじめに
次に、支出は領収証やレシートをかき集めて、それをもとに「日付、科目、金額、取引先や内容」の入力を進めていきます。科目は「消耗品費」「通信費」「旅費交通費」のように、どのような用途で使ったかを記します。
最近の会計ソフトは、レシートをスキャナで読み取って仕訳に起こしてくれるサービスなどもあります。ただし自動で記帳したとしても間違っていることもありますので、必ず自分の目でチェックして、間違っている時は正しく訂正してください。
領収証でなければダメだと思い込んでいる方も多いようですが、レシートでもOKです。日付、取引先、内容、金額が明記されているものを代用することができますので、スーパーなどのレジで「領収証ください」と、ややこしいこと言ってレジの渋滞を作らないでくださいね。
これらレシートや領収証類の入力まで1年分全て完了すれば、1年間の帳簿作成ができることになります。会計ソフトを使っていれば、ワンタッチで「青色決算書」という集計表を作成することができます。
この青色決算書は、前述の「損益計算書」と「貸借対照表」の他に、減価償却の明細表(10万円以上の資産に関する詳細)や、毎月の売上・仕入高の推移などを記載する4ページの書類です。帳簿のみならず、この事業に関する詳細の集計表をちゃんと作って提出するから「優良な事業主」なのです!
作成する青色決算書のフォームは、国税庁のウェブページをご覧ください。国税庁のe-Taxで入力をすれば、質問に答える感覚で入力を進めながら、この青色決算書を作成することができます。
せっかくバッチリ青色の決算書を作って「ちゃんとしてます」アピールしても、その申告書を紙に印刷して提出しては、控除額が10万円も減って55万円控除になってしまいます。税務署としても「頼むから紙で出さないで電子データで出してよ〜」ということなのでしょうね。ぜひ、e-Taxで電子申告して65万円控除をゲットしてください。
e-Taxで確定申告書を作成する場合は、国税庁「確定申告書等作成コーナー」から、作成の流れについては前回の記事をご覧ください。
初めての確定申告をする時に「青色申告」で提出しようとすると、気をつけなければならない点が多く、難しいと感じて心折れてしまう方もいます。1年目は時間がかかるかもしれませんが、1度正しく申告できてしまえば、毎年同様に申告書を作成することができます。
わからない点は、税務署に相談したり、会計ソフトやサポートを活用するなど、一つずつ確実にクリアしていきましょう。私も確定申告に関するセミナーやサロンなどを開催していますが、まさに税理士の専門分野なので、税理士に相談するのも一つです。正しく申告できず、受けられるはずの控除が受けられなくなるなんて「嘆かわしい!」ので、早めに申告しましょう。