はじめに

繰上返済をやってはいけない人

繰上返済には、メリットもデメリットもあります。そのため、繰上返済に向かない方も存在します。

(1)家計管理ができていない人
家計は案外複雑です。毎月必要な支出もあれば、年に1回、あるいは数年に1度必要なものもあります。家計管理できていないまま繰上返済をすると、こういった資金に手を付けてしまう可能性があります。家計簿アプリなどを活用しながら、まずは家計の把握に取り組みましょう。

(2)ライフイベントが近い人
進学や退職など、ライフイベントではまとまった金額が必要になるケースは多いです。繰上返済よりも、まずはライフイベントで必要な資金の確保を優先しましょう。

(3)万が一の保障額が不足している人
万が一の保障額が不足している方もやめておきましょう。繰上返済をすると、貯蓄とともに団信の保障額が減ります。そのため万が一の時、ご家族に残せる金額は減ってしまうことでしょう。保険は、保険料を支払えば、大きな保障もすぐに用意できるのが特長です。どうしても繰上返済したいなら、まずは保険を見直しましょう。


近年は住宅ローン金利は低いため、利息軽減効果も小さくなっています。そのため、余るお金があるご家庭を除いて、急いで繰上返済を行う必要性は低いでしょう。

もし今、返済の負担を重く感じて繰上返済を検討されているのなら、借りすぎてしまっているのかもしれません。FPに相談してライフプランを作成した上で、支出の見直しとあわせて住宅ローンの見直しをしていきましょう。

ちなみに、退職金で完済を検討される方も目立ちますが、本当に適切な選択肢なのか、確認しましょう。退職金は貴重な老後資金です。家計に余裕が出てきたのなら、返済額の増額も検討できます。退職時に住宅ローンが残っているなら、まずは長く働くキャリアプランニングに着手しましょう。

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