はじめに
オフィス家具トップメーカーの決算はどうだった?
さて、オフィス家具需要が堅調となれば、同業他社の決算発表もおそらくよいものが出てくるはず。オフィス家具のトップメーカー・オカムラ(7994)の決算発表は5月10日(水)にありました。すでに発表後なので後出しにはなりますが、やはり業績は好調です。とくに新年度である2024年3月期の①営業利益は20,500(百万円)、②前年同期比+18.0%の大幅増益です。ちなみに会社四季報の予想は18,000(百万円)でしたから、四季報読者から見てもサプライズ決算になります。
画像:オカムラ「2023年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」より引用
同社の決算短信にも、「新しい働き方に対応したオフィスの構築が、業種・規模を問わず多くの企業にとって重要な経営課題となっており、全国でオフィスのリニューアル需要が活発に推移しました」とあり、オフィス家具業界自体の活況が伺えます。
オカムラの株価チャートを見てみましょう。
画像:TradingViewより
コクヨの決算発表があった4月28日(金)の翌日からすでに上昇しており、おそらくコクヨでオフィス家具需要が堅調なことを知った投資家が、先回りしてオカムラの株を仕込んだのでしょう。思惑通り、好決算で、5月10日(水)の決算発表翌日には、15.8%のジャンプアップとなりました。
オカムラの場合は、決算発表と同時に2024年3月期から2026年3月期までの中期経営計画を発表。2026年3月期には、売上高3,000億円、営業利益240億円、営業利益率8.0%、ROE10%を目指すこと、また配当性向を40%に引きあげるという株主還元強化もうたっています。前回の記事で紹介しましたが、今回の決算シーズンでは、中期経営計画を出したところに注目が集まっています。その効果も相まって、オカムラの株価が大きく跳ねました。
同業他社の決算スケジュールを把握しよう
コクヨとオカムラのように、同業の企業で決算発表日がズレている場合は、先の企業業績とそれに対する株価の反応が、あとから発表する企業決算を予想する大きなヒントとなります。
例えばヤマハ(7951)と河合楽器(7952)、資生堂(4911)とコーセー(4922)、ミズノ(8022)とアシックス(7936)など、初心者の方にも分かりやすい競合の組み合わせはたくさんあります。次の決算シーズンに備えて、組み合わせリストを作ってみてはいかがでしょう。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。