はじめに
保障の目的を考え、保険のカタチを合わせる
よく「一般的にはどの保険が良いのでしょうか?」と聞かれますが、「一般的に」良い保険」というのは、存在しません。なぜなら必要な保険は、自分や家族の年齢、家族構成によってさまざまだからです。自分の、ご家族の“状況に合った”保険こそが、良い保険なのです。
良い保険を見つけるためのポイントは次の3点です。
2. いつまで必要か? 期間を考える
3. いくら必要か? 保障の大きさを考える
1.の保障を持つ目的を明確にしてから、2.3.の上記で説明した保険のカタチを合わせていきます。
目的その1. 死亡時の遺族生活費のため
自分が万一亡くなってしまった場合、遺された家族のための生活費や子どもがいる家庭では教育費をカバーしなければなりません。
妻が専業主婦でワンオペ育児であれば、夫の死亡保障を重点的に確保します。夫婦共働きの場合で、妻が死亡した場合、夫に公的保障である遺族年金が下りる要件は、妻が受け取るときよりも厳しくなります。よって妻もしっかりと死亡保障を備えておくことが大切です。
保険期間は、子どもが独り立ちするまで、あるいは仕事を定年退職する60歳ないしは65歳までを設定します。保障額は、これから掛かる生活費と教育費を考えます。教育費は、公立か私立か、大学に進むのか、文系か理系かなど子どもの進学先によって、大きく変わります。現在の生活費を家計簿などから明確にし、過不足なく保障額を決めることが大切です。
あまりに大きすぎると、保険料が高くなりますし、小さすぎるといざというときにお金が足りないということになりかねません。
ここで保険のカタチを考えていきます。上記の定期保険がもっとも適しています。保障額が大きく、保険料を安く抑えることができるためです。箱型か逓減型かは、保障額に合わせて考えていきましょう。
目的その2. お葬式代などの整理費用の準備のため
この時代、自分が亡くなってもお墓やお葬式は必要ないと思う人もいることでしょう。しかし実際、遺品整理に費用が掛かるなどなにかとお金が必要になります。遺された人に迷惑を掛けないために、ある程度資金を準備しておくことが大切です。
保険期間は、いつ亡くなるかわからないため、一生涯の保障となる終身型で備えます。保障額は、お葬式代やもしおひとり様の場合、身の回りの片づけ費用として、100万円~300万円など準備します。ただしこの費用を現金で残しておくことができれば、保険でわざわざ準備する必要もありません。
ここまで、死亡時の保障について解説しました。次回は、生存時の保障(医療保険など)について、説明していきます。