はじめに
ネット証券やSNSの普及によって投資がより身近なものになり、スマホ1台あれば簡単に投資ができる時代が来ています。そんななか、注目を集めているのが新しい投資のカタチである「貸付(ファンド)型クラウドファンディング」です。
人気が高まっている理由は一体何でしょうか? ファイナンシャルプランナーで、証券外務員の資格を持つ筆者の経験も踏まえ、お伝えしていきます。
貸付(ファンド)型クラウドファンディングとは
クラウドファンディングにはモノやサービスなどを支援する購入型のほか、株式型や融資型、寄付型などいつくか種類があるのですが、今回は貸付(ファンド)型クラウドファンディングに特化したお話です。貸付型は、ファンド業者を通じて投資家が直接企業に融資ができる仕組みのことを指します。
企業側は融資を受ける際に期間と金利を設定するので、投資家は満期になれば元本に加え、融資期間中の分配金を受け取ることができます。企業の貸し倒れなど、返済が困難になるようなことがない限りは元本が満期時に戻ってくるため、比較的安定的な投資として人気を集めています。
貸付型のメリット・デメリット
では具体的に貸付型で投資すると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリットの1つ目は、何と言っても魅力的な利回り。現在の低金利時代、銀行の定期預金の金利は大手銀行で0.001%ほどしかない中で、貸付型は2%前後から高いものだと7~8%の利回りがつくこともあり、かなり魅力的と言えるでしょう。
2つ目は投資先を自身で選べる点です。つまり応援したい企業を自分で直接選ぶことができます。
そして3つ目は手軽さです。1円や1万円から投資ができるので、少額から手軽に始めることができます。
加えて意外と知られていないのが企業側のメリットです。実は貸付型で資金を集めるよりも、金融機関から融資を受けたほうが安く借りられるケースがあります。それでも貸付型を選ぶ理由は、何よりも企業側の認知度が上がるから。貸付型を通して企業の新サービスや事業内容を知ってもらうことで、ファンの獲得に繋げることができるのです。貸付型のなかには、企業の商品やサービスが優待としてついてくるファンドもあります。
貸付型のデメリットの1つ目は、元本保証ではありません。比較的安定的な投資とはいえ、投資先の企業の貸し倒れやファンド業者の倒産などにより、元本が返ってこない可能性があります。
2つ目は、基本的には途中で解約ができないことです。満期までの間に使う可能性のある資金では投資をしないようにしましょう。
3つ目は、必ず投資できるとは限らないこと。ファンド成立の最低金額を設定している場合、資金が集まらなければファンドは不成立となります。逆に人気が高いと、抽選や先着での申し込みになる場合もあり、早ければ数億の枠が数分でなくなってしまうこともあります。ただ、私が知る限りでは先着順のケースが多く、募集開始時間を把握しておけば投資できる可能性は十分にあると思います。