はじめに
会社にお勤めの人は、ほとんどが健康診断を受けていると思います。健康診断を受けた結果で「要受診」とか「再検査」と出たことはありませんか?そして、特に再検査などせずに、そのまま何もしていないということはありませんか?
問題は、「要受診」「再検査」と言われた人の約26%、つまり4人に1人が、そのまま放置していることです。今回は、健康診断についてお話しをして見ましょう。
「健診」と「検診」の違いとは?
「けんしん」とひと言で言っていますが、「健診」と「検診」があります。「健診」は、いわゆる健康診断のことで、健康であるかどうか、病気のリスクをチェックするために行われるものです。40歳以下は「定期健康診断」、40歳から74歳までは「特定健康診査」です。
「検診」は、特定の病気にかかっていないかを調べるための検査です。「がん検診」というのが、代表的ですね。「がん検診」には、「対策型検診」と「任意型検診」があります。「対策型検診」は、国が推奨している「胃がん」「肺がん」「乳がん」「子宮頸がん」「大腸がん」の5種類の検診です。
「任意型検診」とは、「対策型検診」以外で人間ドック、超音波検査、CT検査、PET検査など、さまざまな検査があります。原則的に全額自己負担になります。「対策型検診」は公費の補助があるので、安く受けることができます。
ちなみに筆者は個人事業者なので国民健康保険です。「特定健康診査」と「対策型がん検診」の両方を毎年受けています。自己負担額は1000円弱です。
約70%の人が健診・人間ドックを受診している
では、「健康診断」の受診率はどのくらいかというと、厚生労働省の「国民生活基礎調査の概要(2019年)」によると、20歳以上では、約70%の人が健診や人間ドックを受けています。男女比でみると男性は74%に対して女性は66%です。女性の方が低いのが見てとれます。
会社員の場合には、会社で健康診断を実施しています。それに費用は会社が負担してくれるので、自己負担はありません。定期健診は、事業者に実施が義務付づけられていますから、実態をみると100人以上の会社ではほぼ100%実施されています。しかし、実際の受診率をみると85%~93%でした。「忙しくて時間がない」とか、「面倒だ」など、理由はさまざまだと思います。でもできるだけ受けるようにした方がいいですね。
「要受診」「再検査」の4人に1人はそのまま放置!?
問題は健診を受けた後です。ティーペックの会社員1000名を対象にした「健康診断に関する調査」によると、「要検査」「要受診」という結果がでた人は33.5%だそうです。3人に1人が健康に対して何らかの問題があるということです。
しかし、「要検査」「要受診」の人の約26%が、「検査を受けていない」「医療機関を受診していない」「受診するつもりがない」と回答しています。その理由としては、最も多かったのが「必要性を感じなかった」37.9%「仕事が忙しかった」37.9%、ついで「面倒だった」26.4%という結果(複数回答可)です。