はじめに
目的その5. 介護(認知症)に備える
介護保険は、言葉の通り、介護状態になったときの保障です。いつ介護状態になるかわかりません。こちらも一生涯の終身型をお勧めします。
給付金が下りるときのタイミングや金額は、介護認定の状態に合わせて決まります。たとえば以下2つのケースが多く見受けられます。
要介護2以上と認定されたとき
2.保険会社独自で定める基準
所定の要介護状態が180日を超えて継続したと診断確定されたとき
では介護状態はどのくらいの金額をカバーすればよいのでしょうか。
要介護別の介護費用の月額を見ると、公的介護保険を利用した上での平均額は8.3万円となっています。
出典 (公財)生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」より
2021年における介護期間は平均61.1か月(約5年間)です。
出典 (公財)生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」より
したがって合計額は、平均月額8.3万円×12か月×5年=498万円。約500万円が介護費用に必要な額となります。この費用を保険でどこまで賄うのか、貯蓄額と合わせて考えていきます。
目的その6. 貯蓄(教育費、老後など)
保険には貯蓄の機能も持ち合わせています。たとえば学資保険・個人年金保険などが分かりやすい例です。保険での貯蓄は、安定的に着実に準備ができます。とくに教育費のように、10年前後の中期的で、使う時期が明確な資金に対して向いています。
保険の大きさは、進学先と合わせて検討します。公立に進学するか、私立に進学するかで必要となる学資金が大きく変わります。
老後目的の貯蓄は、個人年金保険や終身型の死亡保障で、積立を行います。個人年金保険は60歳、65歳と定年退職を迎えたときに、毎年契約時に決めた額が支給されます。
終身型の死亡保障は、契約時に積立期間を決め、積立期間が終了後、その保険を解約したときの資金(解約返戻金)が元本(支払った保険料)よりも増えることから、老後の貯蓄目的として使われます。
終身型の死亡保障を使った時のメリットは、途中で死亡した場合、保険金を遺族が受け取れる点です。デメリットは、個人年金保険にも言えることですが、保険は着実性が高い分、取るリスクが低いので、長期にわたって積立をしても、あまり大きな利息は見込めません。「資産形成」と「保障」は切り離して考えていくことが大切です。
長期での積み立てを考える場合には、まずは、NISA制度やiDeCo口座を使いながら、投資信託を利用した資産運用から始めることをお勧めします。
いかがでしたでしょうか。保険の教科書として読んでいただけるよう書きました。自分の保険を決めるときや、見直す際に、振り返ってご参照いただけると幸いです。