はじめに

夫55歳の時の貯蓄残高は?

さて、7年後に無事、子どもたちが自立し、教育費がかからなくなると毎月の収支はどうなるでしょうか。

現在払っている教育費9万円、仕送り8万円、学資保険の保険料2万円、子どもの急な出費2万円、合計21万円がなくなります。現在の生活費は約50万円なので30万円程度になりそうです。夫の手取り月収が35万円で変化がなければ、生活が成り立ち、夫の月収とボーナスから年間では220万円程度を貯蓄できそうです。そうすると、夫55歳の時の貯蓄残高はいくらになるでしょう。

現在の貯蓄2,400万円+1,750万円(7年後まで妻が仕事を続け年間250万円の貯蓄を維持したと想定)+220万円(8年目、夫1人の貯蓄額)=4,370万円

これに退職金2,000万円を足すと、合計6,370万円になります。

老後資金として充分な金額に思えるかもしれませんが、問題は65歳までの生活費と、実家のリフォーム費用です。

老後の暮らしはリフォーム費用に左右される?

公的年金は原則65歳からもらいます。55歳で夫も仕事を辞めて、65歳までの間、仮に生活費が月30万円(先ほど計算した現在の生活費から教育費を除いた金額)なら年間360万円、10年では3,600万円を65歳までに使うことになり、65歳時点での残高は6,370万円-3,600万円=2,770万円となります。共働きなので、夫婦で厚生年金をもらうとすると概算で月当たり25~30万円程度になりそうです。老後もここから公的医療保険料や税金を引かれますが、節約すれば生活費はまかなえそうです。ただし、老後は社宅を出て、実家に戻る予定です。実家は築40年ですからリフォームが必要です。

リフォーム費用を事前に見積もっておきましょう。築40年の戸建てで、これまで大きなリフォームを行っていないとすると、水回り、屋根、外壁、窓や玄関など大幅な工事が必要になるかもしれません。老後の住まいとするためには、どんなリフォームが必要で、いくらくらいかかりそうかを早めに調べておくことです。工事の内容によりますが、300~1,500万円程度かかるかもしれません。

55歳で夫も仕事を辞めると、65歳時点での老後資金の残高は2,770万円で、ここからさらにリフォーム費用を払うことになり、老後資金はだいぶ少なくなります。

投資次第でリタイアを早められるかも

これを補ってくれるかもしれないのが投資による収益です。ここまでの計算は貯蓄はすべて元本の金額です。55歳時点で貯蓄が6,000万円を超えるので、この一部を投資に回して、貯蓄よりも増やすことができれば、夫のリタイアを65歳よりも早めることができるかもしれません。

これからは、貯蓄残高、投資に回した資金の評価額を定期的に確認しながら、夫婦2人の老後の生活費がどれくらいかかりそうかを意識しながら家計管理をしていきましょう。

少子化の時代に、子ども3人を育てる相談者ご夫婦、教育費の山を乗り越えて、穏やかな夫婦の生活が始まるまで、もうひと頑張りです。

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