はじめに

「人生100年時代だから、しっかり資産形成をしましょう」という専門家は大勢いらっしゃいます。65歳で定年を迎えたら、100歳までは35年。その間にお金が無くなったら大変です。今から備えましょう、ということですが、はたして本当でしょうか。


誰が言ったか「人生100年時代」

「人生100年時代」という言葉が、特にお金の専門家と呼ばれている人たちの間で頻繁に語られるようになったのは、今から7年くらい前、『ライフ・シフト 100年時代の人生設計』という本がヒットした頃からです。

本の内容については、いろいろなところで語られているので、すでにご存じの方も多いと思います。「医療の発展で人々の寿命が延びることで、これまでの生き方を見直す必要が出てきた。従来は教育を受け、仕事をし、引退を迎える、という人生設計だったのが、人生100年時代においては、引退後に受け取る公的年金が危ぶまれ、人生を終えるまでのすべてを賄う蓄財が困難になるので、新しい人生のステージを考える必要がある。自身を考察する『エクスプローラー』、自由な精神で柔軟にビジネスを行う『インディペンデント・プロデューサー』を経て、最終的には異なる種類の仕事を同時に行う『ポートフォリオ・ワーカー』を目指そう」といったことが書かれています。

他にもいろいろ、人生100年時代を生きるためのヒントが書かれていますが、ここでは割愛します。

ただ、この「人生100年時代」という部分だけを切り取って、「これからは100歳まで生きるのだから、しっかり資産形成をしなければ大変なことになる」などと騒ぎ立て、人々を恐怖に陥れているのが、今のお金の専門家たちといっても良いのかも知れません。

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