はじめに

モーダルシフト関連の「現実買い」に期待

⑦に関して、政府は「モーダルシフト」を推進しようとしています。モーダルシフトとは、従来のトラックによる運送を減らし、鉄道や船舶などにシフトするというもの。10月6日、政府は物流の2024年問題解決に向けて、「物流改革新緊急パッケージ」をまとめました。支柱となる対策は、「置き配」に対するポイント付与やモーダルシフトの推進です。現段階では、貨物船や鉄道側がモーダルシフトを十分に進められる体制を構築できていないようですが、政府は船舶や鉄道による輸送をこの10年間で倍増させる方針を打ち出しています。

この方針が明らかになった時点で、株式市場では「モーダルシフト関連株」が実際に人気化しました。しかし、現時点ではどの程度のスピードでモーダルシフトが進み、それによって関連企業の業績に寄与するかは不透明。つまり、足元ではテーマ株として、いわば「理想買い」が起きているだけと言えます。今後数年の間にモーダルシフトの追い風を受け、実際に業績を拡大させてくる企業が明らかになるはずです。その段階で、今度は「現実買い」が起きることになるでしょう。そう考えると、関連株の大きな押し目(株価が急落したポイント)は狙い目かもしれません。

モーダルシフトに関しては、産業用ドローン(無人航空機)による「無人配送」もテーマとして注目されそうです。もっとも、ドローン配送が実現するには、高度なドローンの開発に加え、法律やインフラの整備が必要。仮に、政府がドローンに関するインフラ整備を進めたとしても、当面は「理想買い」にとどまるでしょう。

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