はじめに

ケース②加入したものの支払いが厳しい

2つめのケースは、数年前に外貨建ての生命保険に加入した方からのご相談です。円安が進むにつれて月々の支払いが増えてしまい、高額な保険料が家計を圧迫して困っているとのことでした。

相談者の加入していた商品は、毎月の保険料が外貨ベースで決まっており、円での支払い金額が変動するタイプのものでした。加入時には毎月2万円程度だった保険料は、円安が進んだことで、現在は2万8000円前後になっています。年間で考えると、9万円以上の負担増となります。このケースのような相談は、最近非常に増えています。

保険料変動のリスク

たしかに、ほんの3年前まで100円台だった円が、急に50円前後も値上がりするなんて数年前には予想できなかったかもしれません。しかし、保険料が為替によって変動するタイプの保険は、加入前に為替リスクについてしっかりと確認しておく必要があります。

お伝えしたように外貨建ての保険は円安になると負担する保険料は上がります。ただ、円安になればその分受け取る保険金や解約返戻金も増えるため、デメリットばかりではありません。しかし、保険に加入してからの期間が短い場合、払込保険料の総額より解約返戻金額が低いことも考えられます。そのため、どのくらいの円安になったらどういった戦略を取るかを、あらかじめ考えておく必要があるのです。

厳しい言い方になりますが、この相談者の場合、加入前にそこまで考えが至っていなかったことが問題でした。そこで、今後の家計収支をふまえてライフプランの見直しを行い、無理せず払えるところまで保険を減額するか、思い切って解約することを提案しました。

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