はじめに
4.今後のライフイベント
ライフイベントとは、人生の節目となるような出来事のことで、例えば出産や子どもの進学、定年退職などがあります。住宅取得もその1つで、ライフイベントの際にはまとまった資金が必要となるケースも多くあります。まとまった資金を用意するためにはコツコツとしたつみたてが必要ですが、金利上昇に伴い返済額が増加すれば、将来のつみたてに回せるお金は減ることが予測されます。子どもの進学をこれから控えている方は今後教育費の負担が増していくことも考えられますから、なおさらでしょう。ライフイベントで必要なお金は期日が決まっているものも多いです。ライフイベントを確認し、いつ何のためにいくら必要なのか、返済額が増えた後も必要なつみたてを確保できそうなのか、金利上昇を想定したシミュレーションを行い確認しておきましょう。
5.まとまった資金の確保
このところは低金利の中、頭金なしで借り入れる方もいらっしゃいますが、変動金利型住宅ローンの金利変動リスクは、借入残高が多いほど大きくなります。マイホーム取得前にはまとまった資金を確保し、頭金を用意しておきましょう。ちなみに、低い金利を打ち出す変動金利型住宅ローンの中には、10%や20%など一定の頭金を出すことを要件としているものもあります。加えて、金利上昇に備えるならある程度の資金を確保しておくことも必要でしょう。このところの資産形成の流れを受けて、預貯金を減らして投資にまわすお金を増額する方も目立ちますが、金利上昇局面では株価の下落も考えられます。株式で持っている資金は短期的には目減りする可能性もありますから、備えとして必要な資金は預貯金など元本が確保できるもので備えておきましょう。
今だけではなく将来も見据えた住宅取得プランを
変動金利型住宅ローンは低い金利が魅力ですが、金利にばかり目をとられていると借り過ぎにつながる恐れもあります。住宅取得後はローン返済とは別に、住宅修繕費や固定資産税などの維持費用も必要となります。借り過ぎを防ぐためには、一生涯の視点で、かつ家計を総合的に見た借入可能額を確認しておきましょう。2024年以降は、政府が示した「子ども未来戦略方針」に基づき、子どもの人数と住宅の環境性能等に応じて当初金利を最大で年1%引き下げる「【フラット35】子育てプラス」がスタートする予定ですし、与党の税制改正大綱では子育て世帯等の場合、住宅ローン控除の対象となるローン限度額を一部維持する内容も盛り込まれています。今だけではなくこの先のさまざまな変化も想定していきましょう。