はじめに
住宅ローンに影響を与える金利の行方
金利の話になりましたので、最後は多くの方が気にしている住宅ローンについてです。住宅ローンには大きく分けて固定金利と変動金利の2種類がありますが、日本で利用者が多い変動金利に適用される金利は銀行が提示する「短期プライムレート」に連動します。現時点では日銀はマイナス金利政策を維持する一方で、YCCの柔軟化をしましたので、10年国債の利回りは一時期に比べれば上昇していますので、固定金利には上昇圧力がかかっていますが、変動金利には影響は出ていません。
今後、日銀が本当に金融緩和を解除し、利上げをすることになると、いよいよ変動金利に適用される金利も上昇していくことになりますが、適用金利が変わっても5年間は毎月の返済額は変わらない「5年ルール」や、毎月の返済額は従来の1.25倍までしか増えない「125%ルール」があるため、毎月の返済額が金利の上昇に伴い青天井に増えていくという不安を抱えている人は安心してください。
とはいえ、金利の変化は為替にも影響をあたえ、それが物価にも影響を与え、それが今度は企業業績、賃金などにも波及していきますから、来年はこれまで以上に日米の金融政策にも注目すべきでしょう。