はじめに

新発債を償還まで保有した時の収益性を見る応募者利回り

債券の利回り計算でベースになるのは「利率」です。利付債では「クーポンレート」とも言います。これは、額面金額に対して年何%の利子が受け取れるのかを示したものです。

大概の利付債は額面価格が100円ですから、それに対して利率が年3%なら、年3円の利子を得ることができます。したがって、額面価格100円の利付債を100万円分保有していたら、利子は年3万円になります。固定利付債である限り、新発債でも既発債でも、発行時に決められた利率は、償還時まで変わりません。

次に、「応募者利回り」です。これは、新規発行された債券を発行日に発行価格で購入し、償還日まで保有した場合の利回りです。債券の額面金額は基本的に100円ですが、発行日時点の金利見通しによって、発行価格が変わります。

もし今後、金利水準が上昇しそうな時は、額面価格100円に対して、発行価格は99円50銭というように下回ることがあります。この、99円50銭で購入した債券を償還日まで保有すると、償還金は額面価格で戻ってくるので、

100円-99円50銭=50銭

が償還差益になります。利子に償還差益分を加え、それが購入元本に対して何%になるのかを示したのが、「応募者利回り」です。

仮に、この債券が10年債だとすると、50銭を10で割ることによって、1年あたりで得られる償還差益が5銭と計算できます。

したがって、年3円の利子に5銭の償還差益を加えた3円5銭が、99円50銭の購入元本に対して何%かを計算すると、3.070%という数字が算出されます。これが応募者利回りです。計算式は以下のようになります。

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