はじめに

お金の貸し借りを行っている期間中、市場金利の動向に応じて適用利率が見直されるか、あくまでも約定した時点の適用金利が継続されるかによって、「変動金利」と「固定金利」に分かれます。


変動金利と固定金利の違い

変動金利と固定金利の違いは、預貯金なら預け入れてから満期を迎えるまで、融資なら借りてから完済するまでの間に、適用利率の見直しが行われるかどうかということです。適用利率が定期的に見直されるのが「変動金利」、預入時あるいは借入時の適用利率が最後まで変わらないのが「固定金利」です。

たとえば個人向け国債「変動10年」の場合、償還までの期間が10年で、この間、半年に1度の頻度で適用利率が見直されます。適用利率は「基準金利×0.66」と決められていますが、最低金利として年0.05%が設定されているため、基準金利に0.66を掛けた数字が年0.01%になったとしても、年0.05%が適用されます。

ちなみに変動10年の適用利率の推移を見ると、2022年2月から徐々に水準を切り上げてきました。それ以前は基準金利の水準が非常に低かったため、最低金利の年0.05%が適用されていましたが、2024年2月29日まで募集されている第167回債の適用利率は年0.49%です。

「基準金利」とは、簡単にいえば、新たに募集される10年固定利付国債の利回りです。10年固定利付国債は固定利付なので、10年後の償還時点まで同じ利率が適用されるのですが、基本的に毎月募集されており、新たに発行される国債の適用利率は、その都度、市場金利の動向に応じて見直されます。

そのため、新たに発行される10年固定利付国債の適用利率が一定幅上昇すると、変動10の適用利率も上昇する仕組みになっています。

変動金利が有利な時、固定金利が有利な時

市場金利は常に変動しており、細かく上下動を繰り返しながら、徐々に水準を切り上げる上昇トレンド、あるいは切り下げる下降トレンドを形成します。そして、金利が上昇トレンドにあるのか、それとも下降トレンドにあるのかによって、変動金利と固定金利の有利、不利が違ってきます。

お金を運用する場合を考えると、基本的に金利上昇局面では変動金利、金利低下局面では固定金利が有利です。変動金利の場合、金利が本格的な上昇トレンドに入れば、徐々に適用利率の水準が切り上がっていくため、満期まで同じ利率が適用される固定金利に比べて、最終的に受け取れる利子が増える可能性があります。

一方、お金を借りる場合を考えると、金利上昇局面では固定金利、金利低下局面では変動金利が有利です。いうまでもなく、金利低下局面では変動金利でお金を借りた方が、金利水準が切り下がっていくにしたがって、支払利息が減額されていくからです。

でも、これから想定される金利上昇局面においては、変動金利よりも固定金利で借り入れた方が、最終的な返済利息を最小限に抑えられる可能性があります。いくら金利水準が上昇したとしても、固定金利でお金を借りておけば、完済するまで適用利率が不変だからです。

しかし、同じ金利情勢の下、変動金利でお金を借り入れると、金利の上昇幅にもよりますが、固定金利に比べて返済する利息が増えてしまう恐れがあります。

特に住宅ローンの場合、20年、30年という長期間、借り入れたお金を返済していかなければなりませんし、そもそも借り入れる金額が2000万円、4000万円というように高額になる傾向があります。それだけに固定金利と変動金利のどちらを選ぶかによって、利息分も含めた返済の総金額が大きく変わってしまうことにもなりかねません。住宅ローンのように、借り入れる金額が大きく、かつ借入期間が長期にわたるローンを利用する際には、長期の金利情勢の見立てが重要になってくるのです。

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