はじめに

住宅ローンはどちらを選ぶのが良いか

とはいえ、そう簡単に長期の金利情勢を予測できるものではありません。住宅ローンのように返済期間が20年、30年にも及ぶと、それだけ長期の金利見通しを立てるのは、プロでも困難です。

ただ、昨今のようにまだ金利水準が大きく上昇していない状況で住宅ローンを組むのであれば、全期間固定金利を選んでおいた方が無難でしょう。条件によって多少の上下はありますが、35年間の期間で全期間固定金利の住宅ローンを組んだ時の利率は年1.7%前後です。

対して変動金利は、銀行によって大きく違ってきますが、条件次第では年0.2%台で借りられる銀行もあれば、年0.6%の銀行もあります。仮に年0.6%だとすると、固定金利との金利差は年1.1%程度です。

もし金利が本格的に上昇したら、年1.1%程度の金利差はあっという間に逆転してしまいます。

もちろん案外、金利が上昇せず、結果的に変動金利のままの方が、返済利息が少なくて済んだということになる可能性も、ゼロではありません。

しかし、インフレがどうにも収まらず、市場金利が3%、4%というように上昇した場合の返済利息の負担増を考えると、現時点の金利差を見れば有利に思える変動金利ですが、やはり固定金利を選んだ方が安全とはいえるでしょう。1.1%の金利差は保険のようなものと考えれば良いのです。

この記事の感想を教えてください。