はじめに

戸籍を集めて終わりではない

この制度は3月1日に始まったばかりで法務省の戸籍情報連携システムの通信状況が不安定な状況により、3月初旬は最新戸籍のみの発行でしたが、4月現在は除籍、原戸籍等、他地域の戸籍も1か所の役所で出生から現在まですべて取得できるようになりました。ただし、即時発行は難しく待ち時間が発生することや、申請内容によっては、翌日以降に取りに行くなどの対応が必要になるようです。余裕をもって取得申請に行くことをお勧めします。

この制度ができたことにより相続手続きに関して被相続人の出生から現在までの戸籍を揃える作業は楽になります。ただし戸籍を集めることがゴールではなく、誰が相続人なのかを確定させることが戸籍を集める理由でありゴールです。

戸籍の内容を読み取って誰が相続人なのかということまでは役所は教えてくれません。特に婚姻、離婚、養子縁組や離縁などを経て家族関係が複雑な方は相続専門の士業に任せて相続人を確認し、法定相続情報の作成に進むことができれば相続手続きは格段に楽になります。

外国籍の方が含まれているなど、さまざまな家族関係があり、すべての人にとって楽になる制度ではありませんが、従来の相続手続きより簡素化できることが増えてきています。簡素化されたと言っても相続の手続きは人生で何度も経験することではないので戸惑うことも多々あると思います。その時は相続の専門家に相談しながら進めていくことをお勧めします。

行政書士:藤井利江子

この記事の感想を教えてください。