はじめに
「利回り」というと、債券や預貯金など比較的、収益性の安定した金融商品に適用される概念というイメージですが、実は株式にも利回りの概念があります。
株式にもある「利回り」
利回りは、一定期間中に生じたインカム収益が、購入時の元本に対して何%になるのかを示す収益率です。それは以前、債券の利回りでも説明したとおりです。総じて、収益性について語られる時、「利回り」が用いられるのは、債券や預貯金などのような、収益のブレが比較的小さな金融商品が中心になります。
でも、実は株式のようなリスク性商品にも、「利回り」の概念があります。
株式投資というと、多くの方は株価の値動きに乗じ、安く買い高く売ることで、その差額を収益にするというイメージで捉えていると思います。いわゆるキャピタルゲインです。
キャピタルゲインは、その株式を買いたいという投資家と、売りたいという投資家との間の需給バランスによって生じます。買いたいという投資家が多ければ、株価は上昇しますし、売りたいという投資家が多ければ、株価は下落します。
もちろん、最終的に株価は、会社の業績、付加価値などが反映されたうえで価格形成されるものですが、目先的には市場心理が強く反映されます。市場全体が強気になれば、買い手が増えて株価は上昇しますし、弱気になれば、売り手が増えて株価は下落します。つまり、キャピタルゲインには、多分に市場参加者の心理が色濃く反映されるため、ある意味、かなり不安定なものになりがちです。