はじめに

桜の見頃の季節が過ぎ去り、一気に春めいてお出かけが楽しい時期となりました。街角には、ますます外国人旅行者の数が増えたように感じます。日本を訪れるにも、ちょうどよい気候なのかもしれません。インバウンド関連銘柄は、引き続き明るい見通しになりそうです。

じつは、ビフォーコロナとアフターコロナでは、インバウンドの関連銘柄にも変化がありました。コロナ前は、インバウンドの花形であった家電量販店が、コロナ後には、期待したほど回復していません。その大きな要因は、家電を爆買いしていた中国人観光客数が戻っていないためです。

観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、コロナ前の2019年の中国人観光客の旅行消費額は17,704億円で全体の36.8%を占めていました。2023年は7,604億円と半分以下の消費額で、全体の割合も14.3%と落ち込んでいます。では、コロナ禍で家電量販店が大きなダメージを受けたかというと、じつは真逆でした。

巣篭もり特需特需の恩恵で、過去最高益を更新する家電関連企業も続出しました。たしかにわたしも、コロナ中に、洗濯機と冷蔵庫を買い替えました。家にいる時間が長いため、暮らしを豊かにするものは、良質にしたいという気持ちが湧くようです。ただ、特需が剥がれ落ちたのちは、光熱費や人件費の高騰、物価上昇による買い控えにより、かなり収益環境が悪化していたのです。


ビックカメラが通期予想を上方修正

そんな厳しい状況でしたので、株式市場でも家電関連銘柄への視線は閑散としておりました。ところが、先日、4月12日にビックカメラ(3048)が24年8月期の通期予想を上方修正し、翌営業日には株価が14%の急騰。年初来高値を更新しています。

決算の中身を見てみましょう。

画像:ビックカメラ「2024年8月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

24年8月期第2四半期決算は、①売上高447,524百万円、②(前年比+9.8%)、③営業利益9,754(百万円)、④(前年比+32.1%)。営業利益は、当初の通期予想15,800(百万円)から19,500(百万円)に23.4%も上方修正されました。

画像:ビックカメラ「2024年8月期第2四半期連結業績予想と実績との差異及び 通期連結業績予想の修正並びに期末配当予想の修正(増配)に関するお知らせ

修正の理由は、インバウンド売上の一層の回復と、販管費全体の抑制によるものとあります。たしかに、最近、渋谷や銀座で大きな観光バスを見かけることが増えました。出遅れている中国人観光客数も、戻りつつあるようです。

画像:ビックカメラ「2024年8月期 第2四半期決算補足説明資料

決算説明資料の品目別売上を見ると、カメラやテレビなどを含む①音響映像商品と、冷蔵庫や洗濯機などの②家庭電化製品は前年同期比割れしており、やはり巣篭もり特需の影響がまだ残っていることが分かります。一方、パソコンや携帯を含む③情報通信機器商品と、ゲーム、時計などを含む④その他の商品は、前年比でも増加しており好調です。

内訳をみるとビックカメラはおおむね前年比でプラスになっていますが、コジマが足を引っ張っていることが分かります。郊外型のコジマのほうが、コロナ特需が大きかったためダメージからの回復が遅いのと、都心の駅前大型店を多く持つビックカメラのほうが、インバウンド効果を大きく受けるためでしょう。

そもそも家電は、物価上昇局面では売れ行きが落ちやすいため、当社は、家電に偏らない経営へと舵を切りつつあります。非家電部門を強化するために2022年秋には、宅配水事業へ参入し、山梨に採水工場を建設しました。その効果が出てくれば、さらなる株価上昇も期待できるかもしれません。

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