はじめに

免許を取得したばかりの自動車保険料は、とても高額になりがちです。やむを得ず、車両保険はがまんするというひともいます。しかし、初心者の事故リスクは高く、事故時の修理代は家計負担を重くします。リスクに備えつつ保険料を抑えるポイントを紹介します。


車両保険とは

自動車保険には事故を起こしてしまった時、他人にケガをさせてしまった、他人の物を壊してしまった、などの賠償責任を補償する部分と、自分のケガや自分の車両の損害を補償する部分にわかれます。

車両保険は、自分の車両に損害が生じた場合の修理代を支払う保険です。保険のパンフレットには「ご契約のお車が衝突、接触等の事故によって損害を被った場合に、車両保険金額を限度に保険金をお支払します」と記載されています。

衝突、接触等と書かれていますが、他にも、盗難、火災、飛び石、いたずらなど、さまざまな原因による車の損害に対応できるのが車両保険です。

データで見る交通事故の実態

画像:(政府統計ポータルサイト) 2022年度 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移データよりグラフ作成

全国の都道府県警察から報告された資料により作成した公的統計によると、若年層の交通事故が目立って多いことがわかります。16歳~19歳は原付による事故も含まれていますが、20~25歳では、事故が多いとされる80歳以上の高齢者に比べても、交通事故が多いことがわかります。この統計は警察に届出のあった事故ですから、相手のいない自損事故を含めると、さらに多くなるのではと推測されます。

このデータからみても、車の修理代を補償する車両保険は、保険料が高くても、加入しておきたい補償のひとつです。

車両保険の種類

車両保険にはどのような種類があるのでしょうか。

  1. 一般補償 以下が原因の事故によって車両損害を被った場合支払います
    他の自動車との衝突・接触
    自転車等の乗用具との衝突・接触
    歩行者や動物との衝突・接触
    火災・爆発
    盗難
    騒擾・労働争議に伴う暴力行為・破壊行為
    台風・竜巻・洪水・高潮
    落書きやいたずらによる損害
    飛来中、落下中の他物との衝突
    その他の偶然な事故
    電柱・ガードレールなど他物との衝突・接触
    墜落・転覆

  2. 限定補償
    一般補償の内、電柱・ガードレールなど他物との衝突・接触、いわゆる自損事故が対象外です。また、墜落・転覆も対象から外れます。
    保険会社によっては、自転車との衝突・接触が対象外の場合もありますので、保険会社によく確認しておきましょう。

どちらの補償も地震・噴火・津波による損害は対象外です。車両火災は対象ですが、地震が原因による火災は対象外です。

地震・噴火・津波による損害を補償する特約として、車両全損時定額払という特約があります。保険会社の要件を満たす損害があった場合、車両保険金額と同額の支払いはできませんが、約定した定額の支払いをするという特約です。万一の地震災害に備え、検討したい特約です。

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