はじめに

早期退職するメリットとデメリットから出した結論は…

Aさんのメリットとデメリットについて具体的にみてみましょう。

【早期退職のメリット】

・退職金を多く受け取れる
割り増し退職金として、現年収の1.5年分、そして、そのほかにも企業年金と企業型確定拠出年金がありますから、当面は生活費を心配することなく暮らすことができます。また、年収の1.5年分を退職金として受け取れば、給与扱いより手取り額が多くなります。退職金には税制優遇措置があり、社会保険料もかからないからです。

・失業給付をすぐに得られる
再就職支援があるといっても、すぐに次の職場が見つかるかは未知数です。その点、会社都合での退職となるため、自己都合の場合と比べて2ヶ月ほど早く給付を受けることができます。

・失業給付の給付日数が長くなる
雇用保険の被保険者期間と年齢によりますが、Aさんの場合、前述の通り最大330日の給付となります。自己都合であれば最大150日ですから2倍以上の期間に渡り受け取れます。

・セカンドライフのための自由な時間を得られる
お金以外にも、退職後にやりたいことがあればまたとないチャンスです。健康寿命(日常生活に制限のない期間)は、令和元年時点で男性72.68年です。平均値ではありますが、59歳のAさんには残り13年余りになります。この時間をどう使うかを決めるには良きタイミングと言えるのではないでしょうか。

【早期退職のデメリット】

・65歳になるまで安定収入を得られない可能性がある
再就職を希望していたとしても、決まらないこともあり得ます。収入がないことへの不安を抱えることもあるでしょう。

・老齢厚生年金の支給額が減ってしまう
Aさんは、当初65歳になるまで働くつもりでした。その場合、働いた期間の平均給料と厚生年金の加入月数に応じて老齢厚生年金額は増額されます。再就職しないと、年金額が増えないことも理解しておかなければいけません。

以上をお伝えしたところ「健康寿命」というワードに一番響かれたようです。「お金と同じくらい健康も有限だと改めて考えさせられました。妻ともよく話して結論を出したいと思います」とおっしゃっていました。Aさんご夫婦にとって後悔ない決断となるよう願うばかりです。

老後資金は失敗できない!あなたが今からできる資産形成の始め方、お金のプロに無料で相談![by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。