はじめに

日本時間5月23日の早朝に米国エヌビディアの決算発表が行われました。今年の株高を演出しているのは同社の好業績に支えられている面も大きく、日本でも非常に注目されていました。


株価は昨年始めから約7倍に

エヌビディアの2025年度第1四半期決算(2024年2〜4月)は、売上高が前年同期比3.6倍の260億4400万ドル、純利益が前年同期比7.3倍の148億8100万ドルとなりました。市場予想は売上高が246億ドル前後、純利益が約131億ドルでしたので上振れの決算となりました。決算後、立会外で株価は上昇し、1000ドルの大台をつけました。

同社の株価は、2023年1月150ドル台で推移していましたが業績が好調で2023年末は495ドルで終了し、3.3倍となりました。今年に入ってからも株価は好調で昨年末から約2倍になっています。時価総額も2兆ドルを超え、マイクロソフト、アップルに次ぐ大きさとなっています。

革新的な技術と市場での影響力

エヌビディアが注目される理由は、革新的な技術と市場での影響力といわれています。コンピュータグラフィックスの進化を牽引し、画像処理半導体(GPU)技術の革新者として広く認識され、高解像度とリアルタイムのゲームプレイで業界内で高い評価を受けています。

同社の主力製品は複雑なデータの並列処理が得意な画像処理半導体(GPU)です。「Chat GPT」など生成AIの開発に必要な大量のデータ処理や、データセンターのGPUに使われています。

さらに、AIとディープラーニングの分野では、データ処理能力と学習効率の向上に大きく貢献し、AI市場でほぼ独占的で支配的な地位を築いています。

今回の決算でもデータセンター部門の売上高が急増しており、前年同期比5.3倍の225億6300万ドルでした。同部門は売上高全体の約86.5%を占めています。四半期配当は0.10ドル(前四半期実績0.04ドル)へ増配するとともに、6月7日付で1対10の株式分割を行うことも発表しました。

また、2025年度第2四半期(2024年5〜7月)の見通しも発表し、売上高は280億ドルを見込んでいます。市場予想の266億ドルを上回る内容となっています。

米主要指数をハイテク株が牽引

5月17日、米国市場のナスダック指数及びS&P500が過去最高値を更新しました。世界NO.1の時価総額を誇るマイクロソフトやアルファベットなどは上場来高値を更新しました。これらは【オルカンやS&P500に影響…決算で好業績を発表&今後決算が注目の米ハイテク株3社!背景を解説】と題し記事にしている銘柄群です(ご興味のある方は、ぜひご一読ください)。

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