はじめに
日米共に決算シーズンを迎えています。今回はその中で好業績を発表した米国企業や今後決算が注目される企業を紹介したいと思います。
純利益過去最高のアルファベット
まず、Google持ち株会社のアルファベットです。4月25日に決算発表を行いました。2024年1~3月期決算は、売上高が前年同期比15%増の805億3900万ドル、純利益が57%増の236億6200万ドルで、4四半期連続の増収増益となり純利益は過去最高を記録しました。主力のネット広告や生成AI(人工知能)を使うクラウド事業の業績が好調でした。また、自社株買いと初の配当を実施する事も発表し、翌日の株価は大幅高となり、時価総額が2兆ドルを超えました。時価総額2兆ドルは、アップル、サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコ、マイクロソフト、エヌビディアに次いで5社目となります。
Googleは1998年にカリフォルニアのガレージで、ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によって創設され、2015年に、Alphabet Incが、Google Inc.およびグループ企業の持株会社として設立されました。2023年度のGoogleの総売上高は、3056億米ドルとなっています。売上の大半は広告収益によるものですが、最新のAIが使えるクラウドの定額課金サービス「Google One」の有料会員は1億人を突破した事などから今後も引き続き注目される企業です。
時価総額世界一になったマイクロソフト
同日、マイクロソフトも決算発表を行いました。2024年1~3月期決算は、売上高が前年同期比17%増の618億5800万ドル、純利益が20%増の219億3900万ドルで、5四半期連続の増収増益となりました。生成AI関連の需要を取り込んだクラウドコンピューティング事業が好調に推移しました。同社の時価総額は3兆ドルを超え、世界ナンバーワンの企業です。
マイクロソフトは1975年ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって創業され、1985年にパソコン用OSのWindowsを開発し、1990年にWindows向けのオフィスソフトとしてMicrosoft Officeを販売しました。2019年に当時3社目となる時価総額1兆ドルを突破し、2021年にアップルに次いで2社目となる時価総額2兆ドル企業となりました。今年1月に3兆ドルを突破しています。今後も、企業向けクラウドサービス「Microsoft Azure(アジュール)」、生成AIコパイロットを搭載した「Microsoft 365(旧Office365)」などの好調が続きそうです。
今後も両社はAIへの巨額投資を積極的に行う予定です。Googleの1~3月期設備投資は120億ドルで、大部分をサーバーやデータセンターなどの技術インフラへの投資が占めました。今後も四半期設備投資額が年間を通じて同程度かこれを上回る見通しです。
マイクロソフトの1~3月の設備投資額は8割増の140億ドルでした。クラウドやAIインフラ投資が占めています。4~6月の設備投資は1~3月を大幅に上回ると決算発表の席上で話されています。