はじめに
ゴールド投資のデメリットと注意点
魅力あるゴールド投資ですが、デメリットや注意点も抑えておく必要があります。
1.リスクがある
当然ではありますが、ゴールドも日々の値動きがあります。「有事の金」と言われていることもあり、最近ではウクライナ情勢やパレスチナ・イスラエル情勢などによる需要の高まりを受け、ゴールドの価格は上昇しています。2024年4月22日には日本円の小売価格の最高値である13,105円/gまで到達しました。今後も上昇が続くとは限らないため、始める場合は少額からや、一括投資ではなく積立投資にするなど、無理のない範囲でスタートしましょう。
2.為替の影響を受ける
ゴールドは世界各国で購入することができますが、基本的には基軸通貨であるドル建てがベースになっています。そのため、ゴールドの値動きだけではなく、ドルの影響も受けます。円安になれば日本円でのゴールドの価格は上がり、円高になれば価格は下がることになります。ドル預金などですでにドルを保有している方は、ドル建てのETF(GLDなど)を購入すれば為替の動きはさほど気にする必要がないので始めやすいかもしれません。
3.配当がない
ゴールド投資は基本的には利息や配当は得られません。価格が上がって売却した時に、初めて恩恵を受けることができます。定期的に配当が欲しい場合は、株式や債券などで運用しましょう。
4.コスト(手数料)
ゴールド投資は購入や保有・保管などにコストが発生する可能性があります。月々積み立てていく場合は、購入コストがかからず、信託報酬が低いファンドやETFがコスト面では適しています。一方で金地金(いわゆる「金の延べ棒」)やコインなどの現物を購入する場合、銀行の貸し金庫などを利用する場合は保管料がかかります。もちろん、自宅で保管する場合は、保管時の手数料がかからないので、長期保有を考えている場合は保管場所を確保した上で現物を購入するのも良いでしょう。
5.課税関係に注意する必要がある
購入方法で利益に対する課税関係が大きく変わってきます。ファンドやETFは分離課税となります。そのため、証券会社で特定口座を開設の上、「源泉徴収あり」を選択している場合は確定申告の必要はありません。一方で、金地金や金貨など現物を売却した場合は原則、譲渡所得として給与など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。
確定申告を考えると、ファンドやETFのほうが手間もかからず始めるハードルは低いかもしれません。しかし、譲渡所得の場合は特別控除や総合課税の長期譲渡所得など、税制的に有利に働く可能性もあります。ご自身にとって税制面ではどちらが有利に働くかについても検討してみましょう。