はじめに
医療技術の進歩で、外来で行う手術が増えています。手術前後の検査費用なども含め外来手術の費用負担をカバーできる医療保険とはどんな保険か、外来で多く行われる手術の例、外来と日帰り入院の違いを紹介します。
外来で多く行われる手術とは?
医療技術が進み、手術といっても、患者のからだへの負担が少なく、術後の管理が短時間で済むような場合、入院をせず日帰りで行えることが増えました。
参考:厚生労働省「短期滞在手術等基本料の概要」 、湘南鎌倉総合病院「日帰り手術センター」を参照して作成
この他にも多数ありますし、上記に挙げた手術でも、患者の体調などにより、入院で行う場合もあり様々です。
外来で行われる手術のメリットは、
・入院費用がかからないため、費用が安く済む
・入院になると、入院前後にも多くの時間がかかるため、時間の節約になる
・術後の管理はもちろん必要だが、自宅に戻れるので、いつもと変わらない生活が送れる
などです。おもに局部麻酔で行われ、傷口が小さいことから、体への負担が少ないのも特徴ですが、術後のリスクがないわけではありません。高齢の独り暮らしの方は、術後管理のためにも入院して手術を行うことを勧められることもあるようです。
外来と日帰り入院の違い
「日帰り入院」という言葉をきいたことがありますか?
入院とは、保険会社の規定によると、「医師による治療が必要であり、かつ自宅で治療困難なため病院や診療所に入り、医師の管理下において、治療に専念すること」と定義づけられていますので、病院に泊まることが入院とは決められていません。
例えば、救急車で明け方午前3時に病院に運ばれ入院し、治療の結果容体が安定したので、夕方に退院したような場合、入院日と退院日が同じ日になり、「日帰り入院」で入院1日とカウントされることがあります。
外来手術の場合では、一般的には「日帰り入院」にならないことが多いですが、手術の種類や病院によって、一旦病床に入り入院扱になる場合もあります。外来と日帰り入院を見分ける目安は、支払いの際に受取る領収証の「入院」の欄に点数が入っているかどうかです。「入院」の欄に点数が入っている場合は「日帰り入院」の可能性もあります。
民間の医療保険では、手術の種類で入院日額の倍率が決まるものもありますが、最近の傾向は健康保険適用の手術なら手術費用を払う、というタイプが多くなっています。その上で、外来だったら5倍、入院中の手術だったら10倍、三大疾病の手術は20倍のような設定があります。同じ手術でも「日帰り入院」に該当すると、外来ではなく、入院中の手術になり、給付金の倍率が違うこともありますから、担当者に確認してみましょう。
医療保険で外来手術の費用負担をカバーするには
外来手術で入院に関わる費用がかからないとはいえ、手術費用、手術に至るまでの診察費、検査費用、術後の再診料・検査費用など、総額を考えると、支払いはかさみます。今後、入院を伴わない手術が増えていくことを考えると、外来手術費用をカバーできる医療保険に加入しているか、確認しておく必要はあります。
手術費用と診察・検査など一連の費用はどの位かかるのでしょうか?
参考:医療法人社団康静会公式サイト、えいしん内科・消化器内科クリニック公式サイト、リペアセルクリニック公式サイト
いずれも目安で、患部の範囲、ポリープの数などにより変動がありますが、検査費用を含めると、健康保険適用でも負担は少なくありません。
現在販売中の多くの医療保険は、外来手術も給付金の対象ですが、入院給付金の5倍という商品が多いので、入院日額5,000円の場合、外来手術給付金は25,000円となり、実際かかった医療費と比べると不足してしまうケースもあります。
外来手術を手厚くするには、入院日額を10,000円に設定する方法がいいですが、保険料負担は日額5,000円の倍になるので、毎月の支払負担をよく考えて設定しましょう。日額5,000円でも、別途女性疾病特約などを付帯している場合、女性特有の病気に限りますが、手術給付金がプラスになりますので、特約付帯は有効です。
また、数は少ないですが、入院中の手術と外来手術を同額に設定できる商品もあるので、検討してみるのもいいかもしれません。
医療保険は日々進化していて、医療制度や治療方法の変化に伴い、商品内容も変わっていきます。担当者からの情報提供などを参考に、新しい商品への見直しも都度考えていきましょう。