はじめに

背景に東証の市場再編の影響

優待廃止は2022年4月の東京証券取引所の市場再編で、株主数の規定がプライム市場で従来の2,200人以上から 800人以上と緩和されたことがひとつの要因です。また、2023年3月、東証による全上場会社を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」と題して、中⻑期的な企業価値向上と持続的な成⻑の実現を目指すよう促しています。海外投資家などは優待を活用できず、公平な株主還元と言えなくなっているためです。また上場規定の株主数が緩められたので、優待制度の必要性は薄まり廃止の傾向も頷けます。

東証は2022年4月の市場再編時に、TOPIXの算出方法も変更し見直しを実施しています。TOPIX構成銘柄は2,146銘柄(2024年4月現在)から25年1月には基準をクリア出来なかった銘柄を除外し、約1,700銘柄になります。最終的には2028年10月に1,200銘柄まで絞り込む計画です。また、TOPIXはこれまで、プライム市場からの採用のみでしたが、スタンダード市場とグロース市場からも約50銘柄が採用される見込みです。TOPIX銘柄に採用されるのであれば、必ずしも市場という枠に縛られる必要がなくなる事を意味しています。

東証による市場再編の規制がジワジワと迫る一方で企業側はこれまでよりも、自由度を制限されているように感じます。株主は短期的目線で利益を追求する点に反し、中長期的視点で経営を行いたい企業も多く存在するはずです。今後もMBOを行う企業が発表されたり、振るいにかけられながらも、生き残りをかけて斬新な株主還元を発表する企業も現れそうです。株主としては企業の底堅い体力的な部分にも大いに着目していく必要があると思います。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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