はじめに

相続人の確定


多くの場合、相続人といえば、故人の配偶者と子供が対象となり、家族構成によっては故人の親や兄弟、稀に冠婚葬祭で時々会うような親戚が対象になるケースもある程度です。

資産価値の高さから興味関心が保たれやすい一般的な不動産であれば、相続人同士で不動産の取り合い状態になって揉める場合を除いて、誰が相続するかの協議が速やかに進み、手続きが放置されることなく相続登記へと進んでいきます。これが代々繰り返されるため、所有者が亡くなっても、常に新たな相続人を確定し、随時相続登記を進められます。

一方、負動産の場合、資産価値の低さからくる興味関心の低さ、手続きの優先度が後回しになりがちであることが作用して、例えば「祖父母の代から相続登記をしないで今に至っている」ケースが珍しくありません。中には、曾祖父母(ひいおじいちゃん・おばあちゃん)の代や、さらにその前の代の名義で手続きが止まっているケースもあるほどです。
  
この場合、相続人の確定をするのは大変です。そもそも、相続人の確定をするには、故人が生まれた時の戸籍~死亡するまでの戸籍をすべて確認し、法律上相続人になる人をすべて洗い出す必要があります。

そのため、例えばAさんが「祖父名義の山林の相続登記をしよう」と思い立っても、そのための相続人の確定には、祖父の出生~死亡までの戸籍を見て相続人を把握して(多くの場合は配偶者(Aさんの祖母)と子(Aさんの親やおじ・おば))、その相続人で亡くなっている人がいれば、さらにその相続人(Aさんのいとこなど)まで特定しなければならないのです。

年齢にもよりますが、昔は多くの子供や兄弟がいる方もいますし、さまざまな社会背景からくる養子縁組、再婚等により、家族や親戚からも聞いたことのない相続人が見つかる場合もあるのです。

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