はじめに

遺産の分け方の話し合い

資産価値のある一般的な不動産であれば、比較的建設的な話し合いを通して相続人が決まるか、相続人同士で”奪い合い”になるケースもあるかもしれません。

一方、資産価値のない負動産の場合、この先の固定資産税等の負担や所有者リスク等を負う点で、欲しい人がほぼいない「負債」ともいえるため、多くの場合は”押し付け合い”になります。そのため、同じ不動産でも、資産価値の有無によってその分け方の話し合いは対極的な展開になります。

なお、相続手続きにおいては、資産価値のある不動産は相続し、資産価値のない不動産は相続放棄するといった都合のいい取捨選択はできず、すべて相続するか、すべて相続しないかの二択となります。

そのため、多くの場合は「負動産を相続せざる得ないが、かといってその活用策や処分方法もアテがない」という現実に直面し、誰も相続したがらず、話し合いが難航してしまうのです。

ただし、2023年からは相続土地国庫帰属制度(国が有料で不要な土地を引き取ってくれる制度)や、不要な土地を有料で引き取ってくれるサービスを展開している民間の不動産会社も徐々に増えてきており、以前に比べれば、処分策の選択肢が増えています。押し付け合いで話が頓挫してしまいそうな人にとっては、希望の光といえるかもしれません。

手続き準備はお早めに!

今は「終活」という言葉もメジャーになり、昔ほど“相続準備=不謹慎”といったイメージも薄らいできています。自分自身の相続はもちろん、家族の相続に備えた準備や話し合いは、早めのうちに着手しておきましょう。

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