はじめに

1990年 日本のバブル崩壊

1980年代後半、日本はバブル経済の絶頂期にあり、低金利政策と金融緩和が進められた結果、企業や個人が安易に借り入れを行い、その資金が株式や不動産に流れ込みました。また金融機関が積極的に不動産融資を行い、企業や個人が投機目的で不動産や株式を購入するようになりました。これにより、資産価格が実体経済以上に膨張、株価や不動産価格が急騰しました。しかし、1990年に入ると日本銀行が金利を引き上げ、株価や地価が下落し、保有資産を売却しても返済ができない債務者が増えたことでバブルは崩壊しました。銀行は貸し付けたお金を回収できないために不良債権を抱えることとなり、企業への融資が難しくなったことから企業収益にも悪影響を及ぼし、銀行からの融資が受けられないために倒産する企業も増加し、株式市場も不動産市場も急速に冷え込みました。

2000年 ITバブル崩壊

ITバブル崩壊とは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのインターネット関連企業への過剰な投資ブームが終焉し、株価が急落した現象を指します。 1990年代後半、インターネットの急速な普及により、IT企業への投資が加熱しました。多くのIT企業は、実績が伴わないにもかかわらず、株価が急上昇し、ITバブルが形成されました。しかし、2000年に入ると投資家の期待が実際の業績に見合わないことが明らかになり、ITバブルは崩壊。多くの企業が倒産し、株価も大きく下落しました。特にアメリカのNASDAQ市場に上場していた多くのIT企業の株価が大きく下落しました。

2008年 リーマン・ショック

2008年9月、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機が引き起こされました。

リーマン・ショックの主な原因は、2001年以降に米国政府が低所得者を対象とした高金利住宅ローン「サブプライムローン」の融資基準を緩和したことでサブプライムローンを組み入れた証券化商品が多数発行されておりサブプライムバブルが発生。地価が下落したことでサブプライムローンが不良債権化。それに基づく複雑な金融商品が広く取引されていましたが、特にサブプライムローン関連で多額の損失を計上したリーマン・ブラザーズが破綻し、政府が救済しなかったことも不安につながり、連鎖的に大手金融機関の経営危機が起こって世界中の株式市場が暴落しました。

2020年 コロナショック

2019年末に中国武漢で発生した新型コロナウイルスは世界中に広がり、2020年3月11日にWHOがパンデミック宣言をしたことで、世界中で経済活動が大幅に制限されました。政府がウィルスを封じ込めるために経済活動を止めさせるというこれまでになかった状況により、株式市場は急落し、世界経済が一時的に停滞しました。多くの企業が業績悪化に苦しみ、失業率も急増しましたが、各国政府の財政刺激策や中央銀行の金融緩和によって、金融市場はその後急速に回復を見せました。ただアメリカではバランスシートが急拡大し、カネ余りの状況を生み出しています。テクノロジー関連株が大きな上昇を記録し、リモートワークやデジタル化の進展が進んだことで、新たな経済の形が浮き彫りになりました。

2024年 植田ショック?

いくつかの要因が重なったものの、植田日銀総裁が7月31日の金融政策決定会合で追加利上げを決定したことも要因の1つなので、市場では「植田ショック」と称されているようです。今後どのような名称となるかは皆さんもウォッチしておいてください。

歴史的な暴落から学ぶべき教訓は多くありますが、重要なのはこれらの経験を活かして、将来の暴落に備えることです。現在は急落から株価が戻しつつありますが、これを機にポートフォリオをしっかり見直すことも大切ですし、何年かに1度起きる暴落の際にどのような行動を取るのか、暴落への備えをするきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

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