はじめに

これまで米国株式について何度か記事を書いていますが、今回は「Tracers S&P500トップ10インデックス」について書いてみたいと思います。「Tracers S&P500トップ10インデックス」 は2024年6月16日に日興アセットマネジメントが設定した新しい金融商品です。

大型株で構成されている米国の株価指S&P500指数の中のトップ10に的を絞って、集中投資ができます。


構成銘柄と構成比率

構成銘柄と構成比率は以下の通りです(6月24日時点)。

・マイクロソフト…19.9%
・アップル…18.0%
・エヌビディア…17.4%
・アマゾン・ドット・コム…10.2%
・メタ・プラットフォームズ…6.6%
・アルファベット(クラスA)…6.3%
・アルファベット(クラスC)…5.3%
・バークシャー・ハサウェイ…4.5%
・イーライリリー…4.3%
・ブロードコム…4.2%
・ JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー…3.4%

※1社で複数の銘柄が上場している場合や、スピンオフ(分離・独立)などの理由から、構成銘柄数が10を超えることがあります。

構成銘柄は日本でも馴染みのある企業ばかりで、世界経済に大きな影響を及ぼす存在です。アップル(19.9%)マイクロソフト(18%)エヌビディア(17.4%)アマゾン(10.2%)で上位4銘柄で全体の65.5%を占めています。

イーライリリー、ブロードコム、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーの3銘柄は新たに追加された銘柄で、これまで採用されていたテスラ、ユナイテッドヘルス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ケンビューは除外されました。

毎年6月に構成銘柄の見直しが実施されます。具体的には、5月の最終営業日を基準として、6月の第3金曜日の取引終了後に、指数が再構築されます。指数の構成比率は、日々の株価の上下動によって変動しますが、都度調整は行われません。ただ株数については年に4回(3、6、9、12月)のアップデートが行われ、指数の構成比率の調整が行なわれます。

時価総額加重平均を採用

選ばれた10社の時価総額をもとに構成比率を算出するため、時価総額が大きな銘柄ほど構成比率が高くなる「時価総額加重平均」を採用しています。時価総額は企業の市場価値を測る基準の一つで時価総額が大きな銘柄は、規模も大きく成長性や収益力などの面で市場から高い評価を受け、将来性のある企業と考えることができます。また企業としての価値や信頼度も高まりやすいメリットがあります。

時価総額加重平均は「S&P500指数」や「TOPIX」「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」などの主要な株価指数にも幅広く採用されています。時価総額加重平均は時価総額が大きな銘柄の影響を受けやすい傾向があり、株式市場の実態を顕著に反映している面があります。

一方、均等加重は時価総額が相対的に小さな銘柄の存在感も大きくなります。株価が高い銘柄(値がさ株)ほど指数に与える影響が大きいことが特徴で、均等加重を採用している指数は日経平均株価やNYダウなどです。

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