はじめに
「おひとりさまに保険は不要」といった意見もありますが、独身だからこそ備えておきたいリスクがあります。いざという時に困らないように、どんなリスクに、どのように備えるべきかを解説します。
独身に死亡保障は不要
筆者のところに家計相談に来られた40代の独身女性お2人。それぞれのライフプランを作成している際に、1人は3つの終身保険に1人は2つの定期死亡保険に入っていることがわかりました。
終身保険1: 保険料年額 12万7,000円 死亡保障 400万円
終身保険2: 保険料年額 11万5,000円 死亡保障 350万円
終身保険3: 保険料年額 21万円 死亡保障 750万円
定期保険 1: 保険料年額 10万8,000円 死亡保障 252万円
定期保険 2: 保険料年額 3万3,000円 死亡保障 1,600万円
2人とも、毎月保険料を払っているものの、保険証券の中身をしっかり確認したことはないとのことでした。一見すると、払い込む保険料に対して、大きな保障が得られるように感じるかもしれません。けれども、まず考えるべきは、その大きな保障自体が必要かどうかです。ご自身が亡くなった時に経済的に困るご家族がいない限りは、死亡保障は必要ありません。
独身の方に必要なのは、亡くなった時にかかる費用です。亡くなった時にかかる費用としては、主に葬儀費用や死後の整理費用が挙げられます。鎌倉新書の「第6回お葬式に関する全国調査」によると、葬儀にかかる平均総額は118万5,000円となっています。葬儀費用や死後の整理費用として300万円程度を準備できていると安心ですが、保険ではなく貯蓄でも備えが可能な額といえます。
上記のお2人は本来必要性が低い複数の保険に、毎月多くの保険料を支払い続けていたことになります。
では、独身の方にとって必要性の高い保険とは、どんな保険なのでしょうか。