はじめに

お金を使っても、お金がなくならない財布があるといいと思いませんか? それが「減らない財布」です。

もし老後生活で、その「減らない財布」を持てるとしたら、老後は、もうお金の心配をする必要がありません。お金の心配をしなくてもよいというだけでも、老後生活の幸福感が増すとは思いませんか?

そんなおとぎ話のようなことを実現できる方法があります。この「減らない財布」を手に入れ方を紹介します。


「減らない財布」の正体は公的年金?

「減らない財布」の正体は、公的年金です。公的年金は、年6回、偶数月の15日に指定した口座に振り込まれます。

もし公的年金で生活ができれば、お金が減っていくとか、生活費が足りなくなるなどという心配をしなくてもいいのです。毎月の生活費を使って、そろそろお金がなくなってきたな、と思うころに年金が振り込まれるのです。年金というのは、ある意味、不労所得みたいなものです。

私がここで提案したいのは、70歳から「減らない財布」を手に入れる方法です。「えっ、なぜ70歳から? 年金は65歳から受け取れるのでは?」という疑問が湧くと思います。

しかし、65歳からでは、「減らない財布」ではなく、まだ「足りない財布」なのです。残念ながら「減らない財布」にするためには、70歳まで待つ必要があるのです。

65歳ではまだ「足りない財布」?

厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和4年度)」によると、平均的な年金受給額は、夫が厚生年金に加入し、妻が国民年金だった場合、夫が16万3875円、妻が5万4426円で、夫婦2人の年金収入は月額約22万円になります。

夫と妻が両方とも厚生年金に加入している場合は、夫が16万3875円、妻が10万4878円で、夫婦2人の年金収入は月額約27万円になります。

では、一般的にどのくらいのお金があれば1ヵ月暮らすことができるのかをみていきます。総務省の家計調査「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(2023年)」のデータでは、1ヵ月の消費支出の平均は28万2494円です。

つまり、夫が厚生年金に加入し、妻が国民年金に加入している世帯では、約6万円が不足します。夫と妻の両方が厚生年金に加入している家庭でも、約1万円の不足です。このままでは、老後は節約をしながら生活しなくてはならず、あまり楽しくはないかも知れません。年金生活になると、死ぬまで年金を受け取ることができます。しかし、年金額がキツキツだと生活に苦しく「減らない財布」ではなく、つねに「足りない財布」になってしまいます。

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