はじめに

令和のブラックマンデーとも呼ばれるように、8月の株価は大きく乱高下しました。株価の行方が心配で眠れぬ夜を過ごしたという方もいらっしゃるでしょう。しかし、長期運用に株価の変動はつきものですから、今後の心構えとして今回の出来事を学びに変えていきましょう。


株価の乱高下

2024年8月5日の日経平均は4451円安と、7月11日の最高値4万2224円から一気に25%も下落してしまいました。翌6日には3217円戻し1営業日の下落額・上昇額として過去最大を記録しました。さらには国会に日銀総裁が召喚され説明を求められるなど異常な事態となりました。

ネット上では様々な情報が飛び交いましたが、結局どうしてよいか分らずオロオロしてしまい何もできなかったという方も少なくありません。長期投資で言えば「何もしない」も正解の一つと言えるのでしょうけれど、やはりこの経験を学びに活かしたいものです。

先日「自分の保有する投資信託が過去どの位下がったのかを把握しておくといざと言うときに慌てずに済む」といった新聞記事を読みました。なるほどそれも一理あるのかなと思って記事を読み進めると、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資「おおぶね」がランキング第1位だったとされていました。

このランキングは、主に海外株式に投資をするファンドでかつ新NISAのつみたて投資枠で購入できるものを選別し、その中で過去5年の最大下落率が小さいものを比較したそうです。

もちろんどんな投資信託の基準価格も株価が低迷すれば下落しないわけはありませんから、この「おおぶね」でさえ最大下落率は27.7%でした。もっとも下落が小さかったファンドでこのくらい落ちるのですから、今回のように株価が25%一気に落ちたくらいで心が折れていては、本当の意味で長期投資をする覚悟ができていなかったといえるのかも知れません。

ちなみに第2位は、セゾン資産形成の達人ファンドで最大下落率は29.7%、第3位はニッセイ・インデックス・パッケージと、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)でどちらも最大下落率は30%でした。そして第5位はニッセイSDGsグローバルセレクトファンドの30.3%でした。

興味深いところとしては、過去5年間の最大下落率が最も小さいところが上位5商品の中ではもっともリターンも大きかったという点、しかし必ずしもその特徴がすべての商品に当てはまらないという点です。

詳しく申し上げると、農林中金の「おおぶね」の5年リターンは111.6%、セゾン資産形成の達人ファンドは96.7%、ニッセイ・インデックスパッケージは98.3%、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は100.9%、ニッセイSDGsグローバルセレクトファンドは105.3%とリターンについては結構ばらついている印象を受けました。

この5商品のみで考えると、「おおぶね」の過去5年の実績は下げ幅も小さくかつリターンが大きかったということがわかり、その他については下げ幅もリターンもあまり大きな差は生じなかったとも言えるのではないでしょうか?

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