はじめに
夏休みに実家(愛媛県)に帰省した際、甥っ子たちがしょっしゅうガストに行くという話を聞きました。田舎だと遅くまで開いているお店が少ないので、ファミレスはとても重宝するとのこと。わたし自身は、子供が小さい頃はよく利用しましたが、ここ数年はほとんど利用したことがありません。そのため、投資対象としてもノーチェックでしたが、せっかくなので調べてみたら、思いのほか発見がありました!
営業利益は大幅上方修正
ガストを運営しているのは、すかいらーくホールディングス(3197)です。当然「すかいらーく」も運営しているかと思いきや、2009年に完全閉店しており、現在「すかいらーく」は1店舗もありません。おもなグループ店舗は、「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」「ジョナサン」など。全部で28の多彩な飲食店を束ねています。
すかいらーくは、日本のファミレスの先駆者でもあり、初出店は1970年です。そこから日本の経済成長とともに拡大してきましたが、バブル崩壊とともに低迷。その後、1992年に衝撃的なデビューを果たしたのが、メニューを極限にしぼり効率化をはかることで破格の低価格を実現した「ガスト」です。わたしも若い頃は、散々お世話になりました。
最近の成長ブランドは「しゃぶ葉」です。高校生の娘もよくお世話になっているそうで、高校生でも通えるしゃぶしゃぶ屋さんということでしょう。
すかいらーくグループの総店舗数は約3,000店舗。もっとも多いのがガスト(1,280店舗)、次にバーミヤン(353店舗)、しゃぶ葉(279店舗)と続きます。ただし、店舗数はここのところ増えておらず、むしろ減っています。ところがそんな中でも、直近発表された決算は非常に好調でした。
8月14日に発表された2024年12月期第2四半期決算をみていきましょう。
画像:すかいらーくホールディングス「2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」
①売上高は191,436(百万円)、②前年比12.7%、③営業利益11,983(百万円)、④前年比320.1%。売上の伸びに比べて、営業利益の伸びがかなり大きいことから、利益率が大きく改善されています。同時に、通期予想を売上高375,000(百万円)→395,000(百万円)、営業利益15,000(百万円)→24,000(百万円)と大幅上方修正しました。4月の価格改定が効果を奏しているとのこと。
また、決算説明資料によると、上半期の既存店は、売上高前年比112.5%、客数前年比109.2%、客単価前年比103.1%と、客数も客単価も伸びたことで売上が伸びていることが分かります。会社四季報夏号の記事欄に、「柱のガストは人気アニメとのコラボ販促効き、出足の客数想定超。注文点数増え客単価も上昇。」とありますので、販促活動の成果が出ているようです。