はじめに

近年の円安は、私たちの日常生活に大きな影響を与えています。物価上昇による生活費の圧迫や、海外旅行の費用増加など、多くの人がその影響を実感しているのではないでしょうか。

この状況は投資の世界にも大きな変化をもたらしています。特に注目されているのが、外国債券(外債)への投資です。NISAを活用した投資が一般的になるなか、米ドル債券などの外債を保有したいと考える投資家が増えています。

その背景には、通貨分散によるリスク軽減や、日本よりも魅力的な海外の金利水準があります。しかし、一時1ドル160円を超えるなど、歴史的な円安水準にある今、本当に外債を購入しても大丈夫なのでしょうか? この記事では、円安下での外債投資の考え方や注意点について、わかりやすく解説していきます。


投資家の間で支持を得ている外国債券

外債とは主に外貨建ての国債や社債のことを言います。金利と満期があらかじめ決まっている債券は、安定的な投資を好む投資家から非常に人気の高い投資先です。また日本では長年にわたり低金利が続いていますが、海外では比較的高い金利水準の債券が多く存在します。そのため、外債投資はより高いリターンを求める投資家から支持を得ています。

以前は、債券は富裕層向けの金融商品で、投資するにあたりまとまった金額が必要でした。しかし、ネット証券などの普及により、最小単位なら数万円程度と、少額で購入できるようになりました。そのため外債投資の認知度も上がり、関心を持つ投資家が増えてきています。

外国債券のメリット・デメリット

外債のメリットは何よりも魅力的な金利で運用できることです。例えば、現在の日本の10年国債利回りは1%前後であるのに対し、アメリカの10年国債利回りは4%前後もあります。外債を保有することで、日本に比べて高い利回りでの運用が可能になります。また、外債は日本円以外の通貨での運用になるため、通貨を分散して運用することができます。例えば、日本円、米ドル、ユーロなど、複数の通貨建ての債券を保有することで、リスクを軽減させることができます。

一方、デメリットの一つは為替リスクがあることです。債券は比較的安定的な運用なので、満期まで保有すればその通貨では損をすることはありません。しかし日本円でいくらになるかは、その時の為替次第になります。例えば、為替レートが1ドル150円の時に買った外債を120円の時に売却すると、為替の面では損(為替差損)が発生してしまいます。その他にも投資先の国の情勢などに起因するカントリーリスクや、途中売却時に希望した金額で売れない流動性リスクなどが外債のデメリットになります。

これらのメリットとデメリットを理解した上で、投資判断を行うことが重要です。特に、現在のような円安環境下では、為替リスクに注意を払う必要があります。

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