はじめに

為替と金利の二重取りはなかなかない?

次に、為替と金利の関係について考えてみましょう。円安になる要因は様々ありますが、その中でも大きな要因の一つが金利差です。これまで日本は長らく低金利政策を、アメリカは利上げを行ってきました。すると金利が低い日本よりも金利が高いアメリカのほうが投資対象として魅力的なため、円を売ってドルを買う動きが活発になり、円安ドル高が進行してきました。

以下は、過去10年の為替とアメリカ10年債券の利回りとの関係をグラフにしたものです。

過去10年分のデータをもとに筆者がグラフ作成

グラフから見てわかるように、金利と為替は相関しているということができます。つまり、円高ドル安かつ金利が高いタイミングで外債を買えることは滅多にありません。

円安下で外国債券に投資をする際は「時間」を味方につける

では、現在のように金利は高いけど円安のときはどのように考えれば良いのでしょうか?それは長期的な視点を持つことです。高い金利をできるだけ長期間固定することで、年々為替の損益分岐点は下がっていきます。

具体的な例を見てみましょう。例えば、1ドル150円で4%の10年国債を購入したとします。10年間保有すると、金利収入だけで元本の40%を得ることができます。この場合、10年後に為替が1ドル110円程度になっていても、為替差損と金利収入が相殺され、元本割れを避けられる計算になります。

さらに、外債を保有している期間中に得られる金利収入を再投資することで、複利効果も期待できます。時間を味方につけると、円安下で外債を買ったとしても安定したリターンを得られる可能性が高まります。円安下で外国債券に投資をする際は長期保有を前提としていただくといいでしょう。

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