はじめに

8月5日に起きた日経平均株価の史上最大の下落で「日経平均」という指数により関心が高まった方もいるかもしれません。

日経平均は暴落の後に5日間で約半値を戻し、その後今週は夏休みらしい薄商いで方向性に欠ける展開となりました。日経平均は暴落によってより割安感も出ていますが、これから9月に自民党総裁選(総裁選の投開票は9月27日予定)を控え、11月以降に解散総選挙が予想なされるなかで大きく動くことも考えられます。


そこで今回は日経平均株価が上昇したときにダイレクトに利益に変える日経平均株価に連動するETFや、日経平均株価の下落時に利益を得ることができるインバース型ETFについて紹介します。また、レバレッジをかけたETFを用いることで、相場の動きを利用してより高いリターンを目指すことも可能です。

これらのETFの特徴、メリット・デメリット、およびどのような局面でこれらを活用すべきかを詳しく解説していきます。

まずは、日経平均の上昇をダイレクトに利益にできるETFから。

1. NEXT FUNDS 日経225連動型上場投資信託(1321)

日経225連動型上場投資信託(1321)は、日経平均株価に連動するよう設計されたETFです。日経平均株価が上昇すればこのETFの価格も上昇し、逆に日経平均株価が下落すれば価格も下落します。シンプルに日本株市場の代表的な指標である日経平均に連動するため、日本経済全体の成長を信じ、長期的に安定したリターンを得たいと考える投資家に適しています。また、日経平均の短期的な上昇を利益に変えることもできます。ポートフォリオ全体の分散を図るために利用するのも一つの戦略です。信託報酬率は税込みで年率0.11077%となっています。

【メリット】
◆分かりやすさ:日経平均株価に連動するため、日本経済全体の成長を期待して投資することができます。
◆分散投資:日経平均は、225銘柄の日本の主要企業の株価を反映しているため、一銘柄に投資するよりもリスクが分散されます。また日本人に馴染みがあり情報も得やすいと言えます。
◆流動性も高く低めのコスト:「日経平均株価に連動するETFの中で純資産総額と売買代金が最大(2024年6月末時点)」とうたっており、売買成立がしやすいことがメリット。また、信託報酬率が比較的低めであることもメリットの一つです。

【デメリット】
◆市場リスク:日経平均株価に連動するため、経済全体の下振れリスクや市場全体の調整局面では、そのままの影響を受けます。
◆インデックス投資の限界:個別株のように、特定の成長銘柄に集中投資することができないため、大幅なキャピタルゲインを狙いにくいといえます。

2. NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)

通称「日経レバETF」。日経平均株価の変動率の2倍の動きを目指すETFです。日々の騰落率を日経平均株価の2倍として計算された指数に連動するため、短期間での大きな値動きを狙った取引に適しており、相場が強い上昇トレンドにあるときに利用するのが効果的です。特に、経済指標発表や政治イベントなど、市場に大きな影響を与える出来事が予測される際に、積極的にリターンを狙う手段として利用できます。信託報酬率は税込みで年率0.88%です。

【メリット】
◆高いリターン:日経平均株価が上昇する局面では、その2倍のリターンが期待できます。これにより、短期的な利益を狙うことができます。
◆取引機会の拡大:レバレッジをかけることで、少ない資金でも大きな投資効果を得られるため、資金効率が向上します。

【デメリット】
◆リスクの増加:レバレッジの効果は逆方向にも働くため、日経平均株価が下落した場合、損失も2倍となります。また、価格変動が激しく、一般的に長期保有には不向きといえます。
◆複利効果による減価:日々のリターンを2倍にするため、複利効果が働き、ボラティリティが高い市場では保有期間が長くなるほど元本が減少するリスクがあります。

次は、下落を利益にするETFを紹介します。

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