はじめに
59歳からiDeCoを始めた場合の資産形成効果
実際に59歳でiDeCoを始めた場合、どれくらいの資産形成効果が得られるのかをシミュレーションしてみました。
現在の年収700万 / 60~65歳の見込み年収500万円
所得税率:20%(59歳)/10%(60~65歳)
住民税率:10%として試算
59~65歳になるまで拠出上限額の月23,000円を拠出
元本確保型ではない商品を選択し、3%/年で運用できたと想定
[掛金の拠出額合計]
23,000円×12カ月×6年=1,656,000円
[積立シミュレーション]
元本:約166万円 運用収益:約15万円 合計:約181万円
[所得控除による1年当たりの減税額]
59歳:23,000円×12カ月×(20%+10%)=82,800円
60~65歳:23,000円×12カ月×(10%+10%)=55,200円
[所得控除による減税額の合計]
82,800円+55,200円×5年=358,800円
運用収益はあくまでシミュレーションではありますが、iDeCoは運用益を非課税で再投資できるメリットもあることから、より効率よく運用収益を積み上げることができます。
自身の拠出額に運用収益を加えて老後資金を準備できること、その間の所得控除による節税効果が得られることから、50代からのスタートであっても、十分効果があると言えるでしょう。
逆にこんな人はiDeCoの加入は慎重に
一方、以下に該当する方は、60歳以降は国民年金の被保険者から外れる可能性が高くなります。iDeCoの掛金を拠出し続けることができなくなるため、iDeCoの利用は慎重に判断した方がいいでしょう。
・自営業者
・退職後に独立、起業する予定
・60歳でリタイアをする可能性がある
・60歳以降何年働くか未定
・配偶者の扶養範囲内で働いている
・公的年金を65歳より前に繰上げ受給する可能性がある
60歳以降に国民年金の被保険者でなくなる場合、国民年金に任意加入し、iDeCoの拠出を継続することもできます。ただし、国民年金の任意加入は、国民年金の保険料の納付済み期間が480月に達していない方に限られます。希望すれば誰でも任意加入できるわけではありません。
60歳以降新たに掛金を拠出できない場合でも、受給開始年齢まで運用指図者となり、それまでに積み立てた資産の運用を続けることは可能です。しかし、新たに拠出をしないため、所得控除を受けることはできません。また、その間もiDeCoの口座管理手数料はかかり続けます。
このようなケースでは、利用する上で年齢以外に利用者固有の条件がなく、口座管理手数料もかからないNISAを利用した方が効率的です。
60歳を目前にiDeCoに加入しても遅くないかどうかは、60歳以降の働き方が大きく影響します。