はじめに

すべての人に共通、 iDeCoの利用における注意点

iDeCoには毎月の拠出額に上限があるため、50代からの加入では上限額まで積立をしたとしても、iDeCoだけで十分な老後資金を準備することは難しいでしょう。

自身の老後資金の必要額をライフプランから想定し、iDeCoで不足する分はNISAを併用して補うなどの対策を取る必要があります。

また、50代でiDeCoを始める場合は積立期間が5年程度と長くありません。元本確保型ではない商品を選択する場合、タイミングによっては受け取り開始年齢となった時に保有資産が下落しているリスクがあります。受給を開始する時期は75歳になるまでの間で選ぶことができるので、運用状況に応じて受け取り開始年齢を遅らせても困らない家計だと安心です。

iDeCoの利用にあたっては、使うタイミングに余裕のある資金で積立を行い、自身のリスク許容度に合った商品を選択しましょう。

さらに、当面の生活費となる生活防衛資金が確保できていない方、60歳以降の収入が低下することで生活費の収支に不安がある方は、老後生活を見据えた現在の家計の見直しが先決でiDeCoへの加入は優先順位が低いといえるでしょう。

60歳以降の生活を想定してiDeCoを活用するかどうかの選択を

結論、資産形成の目的が老後資金と明確な50代こそiDeCoを活用すべきです。

ただし、資金を貯める手段を選ぶ前に、どれくらい老後資金が必要なのか、先に具体的な目標を決めることが大事です。

定年後の働き方や理想の老後の暮らしを想定したライフプランを作ることで、必要な老後資金を把握することができます。

その上で、iDeCoの利用を検討する際には、「60歳以降の働き方」「何歳まで積立を続けられるか」「受け取り開始年齢」を想定してみましょう。想定した結果、メリットがあるなら、50代でもiDeCoを始めるのにまったく遅くはありません。

ライフプランを専門家であるFPと作成すれば、目標とする老後資金を準備するためにより効率的な対策が見つかるなどの効果があるはずです。理想の老後生活を送るために、制度や専門家を上手に活用して、老後資金の準備を効率よく進めていきましょう。

【監修】伊達有希子/ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)

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