はじめに
5.「落ちてくるナイフは掴むな」
相場が急落しているとき、安値で買おうとする投資家は多いですが、この格言はそうした行動を戒めています。急落中の銘柄を買うことは、さらに損失を拡大するリスクが高いとされています。株価が安定し、底打ちを確認してから投資する方が安全だという意味です。慌てて買うことは利益にはつながりにくいといえます。「恐怖の時には買い、欲望の時には売れ」と相反するように思える方もいるかもしれませんが、急落の際に買うのであればチャートの底打ちを確認してからでも遅くないということです。
6.「噂で買って事実で売る」
業績アップや企業の好材料の噂が広がると、株価は上昇しやすいものです。しかし、実際の決算や事実が発表された後には、材料が出尽くして下落に転じることが多いです。例えば良い決算が出ても、事前の期待が高く、既に上昇した後は売られることもあるでしょう。また今月のFOMCでは、直前に0.5%の利下げの可能性が高まり、ドル円がそれを織り込んで下落をしていたことから、実際に0.5%の利下げが決定した後ドル円は反発しました。値動きに対して事前に心構えしておくだけでも対処力は上がると考えます。
7.「休むも相場」
相場には上昇期、下落期、そして読めない停滞期があります。判断に迷った時や、方向性が見えないときには無理に売買をせず、休むことも一つの戦略です。休んで市場の動きを冷静に見極めることで、より良い判断を下すことができる場合があります。これもまた、リスクを管理するための大切な教えです。私も投資が大好きですが、「負けが続いてしまっているときは、リベンジトレードになりがちなので損益が出やすい」「勝ちトレードが続いている時も強気になりやすいので注意が必要」「自分が疲れているときは売買の判断が狂いやすいので勝率が良くない」など経験則でも休みは必要だと実感しています。
8.「二度に買うべし、二度に売るべし」
一度にすべての資金を投入せず、分割して売買を行うことでリスクを分散することを勧めています。市場の動きは予測が難しく、全資金を一度に投じてしまうと、予想外の動きに対応できなくなることがあります。売買を複数回に分けることで、リスクを軽減しつつ、チャンスを最大限に生かすことができます。
9.「遠くのものは避けよ」
日頃からよく知っている企業や商品、地域に投資すべきだという教えです。遠くの知らないものや、自分に馴染みのない分野に投資をするのはリスクが高くなるため、理解できる範囲の投資対象に絞ることが重要です。特に初心者は、情報の少ない、あるいは信頼性の低い投資先を避け、よく調査できるものに焦点を当てることで、リスクを減らすことができますし、決算説明書等も読みやすいと思います。
10.「卵は1つのカゴに盛るな」
この格言は最も有名な相場格言の1つで、投資におけるリスク分散の重要性を示しています。全ての資産を1つの投資対象に集中させると、その対象が大きく値下がりした場合に大きな損失を被る可能性があります。そのため、異なる資産や市場に投資を分散させることで、リスクを分散し、どこかで損失が出ても他の投資で補うことができます。
相場格言は投資家にとって先人の貴重なアドバイスのような側面もあるように思います。自分なりの投資戦略を立て、ニュースやデータをチェックしたうえで、これらの格言を参考にすることで、より賢明な投資判断につながるかもしれません。この記事が皆様の投資の参考になれば幸いです。