はじめに
どんな改正が検討されているの?
7月30日時点で、検討されている遺族厚生年金の受給に関連する主な改正案は以下の通りです。
2)給付期間5年へのルール改正は、施行から20年ほどで段階的に適用する
3)給付有期化へは、次の配慮措置を検討する
・婚姻期間中の厚生年金加入実績をベースに、遺された配偶者の老齢厚生年金に上乗せ(上限あり)する「死亡時分割(仮称)」を導入
・現行ルールの収入要件を廃止
・現行ルールの遺族厚生年金の金額より有期給付額を増額
4)子育て中の世帯は現行通り、5年有期ではなく、子どもが18歳になるまで受け取れる
また、これらの改正案は、決定したわけではありません。でも、もし実施されれば、大きく影響を受けるのは、特に若い世代の女性になります。
現在の50代への影響は?
筆者が質問をいただいた50代夫婦への影響については、結論からいうと、現時点では大きな影響はないと考えられます。なぜなら、 改正案はまだ決まっていないこと。仮に改正されても、すぐに適用されるわけではないことと、 通常、大きな制度変更の際は経過措置が設けられ、徐々に変わっていくことが多いからです。
ちなみに、今後の遺族年金制度の改正は、以下のプロセスで進められていきます。
1.社会保障審議会での議論と提言
2.厚生労働省による法案作成
3.国会での審議と法改正
4.法律の施行
具体的な改正時期は未定ですが、早ければ数年内に施行(改正法が効力を生じる)となる可能性はあります。
信頼できる情報源で確認を
最後になりますが、正確な情報を得るためには、SNSで流れてくる情報に惑わされず、一次情報を参照することが重要です。具体的には、厚生労働省や日本年金機構の公式ウェブサイトをはじめとして、社会保険労務士など専門家による解説記事や相談サービスも信頼に足るといっていいでしょう。
また、今の50代には20代、30代のお子さんをお持ちの方も多いことと思います。筆者も20代後半の息子がいますが、今後、結婚するとしたら、以下のことを伝えておきたいと思います。
・夫婦で生活設計を見直し、リスクに備える
・私的年金や生命保険を活用し、保障を強化する
・夫婦それぞれの収入源の確保と能力開発
・制度改正の動向に関する継続的な情報収集
・変化に対応できる柔軟な姿勢と準備
今回の遺族年金制度の改正案は、それだけ私たちの働き方や生活に大きな影響を与える可能性があります。早めの情報収集と対策が個人にも求められるでしょう。
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